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【カーリング】日本女子代表「フォルティウス」ミラノ五輪出場決定…苦難つづいたメンバーは「感涙」とまらず

スポーツ 記事投稿日:2025.12.12 18:00 最終更新日:2025.12.12 21:36

【カーリング】日本女子代表「フォルティウス」ミラノ五輪出場決定…苦難つづいたメンバーは「感涙」とまらず

ミラノ・コルティナ五輪への出場を決めたフォルティウス

 

 12月11日、五輪最終予選のプレーオフ第1戦に臨んだカーリング日本女子代表のフォルティウス(世界ランキング5位)は、ノルウェーを6-5で破り、ミラノ・コルティナ五輪への出場を決めた。これで日本女子代表は、8大会連続出場を果たしたことになる。

 

 試合後、2010年バンクーバー五輪に続き、2度めの五輪出場を果たしたリードの近江谷杏菜は、「16年ぶりは本当に信じられない。プレーヤーとして数段成長した姿で本番に挑めると思う」と心境を漏らしたように、フォルティウスは苦難の末に五輪出場を決めた。

 

 同じく2度めの五輪出場になるサードの小野寺佳歩は、「五輪の記憶は鮮明に残っていない」と複雑な心境を明かした。というのも、2014年のソチ五輪には北海道銀行の一員として臨んだが、直前にインフルエンザにかかり開幕から欠場。その後に復帰したものの、チームは予選5位に終わりソチを後にしている。それだけに五輪への再挑戦について聞かれると、「最高のチームで五輪に立てるのは本当に幸せ」と涙が止まらなかった。

 

 悲願という意味では、チームの象徴であるスキップの吉村紗也香も負けていない。北海道の常呂高等学校の同級生でもあった小野寺とともに17歳でバンクーバー五輪に挑戦。しかし、チャレンジマッチでチーム長野に敗れて出場権を逃すと、苦難の道が始まった。その後、バンクーバー、ソチ、平昌、そして北京と挑み続けたが、すべて国内の難敵の後塵を拝し続けた。その間、ライバルであるロコ・ソラーレが平昌で銅、北京では銀メダルを獲得したことも吉村らメンバーに暗い影を落としたことは間違いないだろう。

 

 それでも吉村はあきらめなかった。負けても負けても、そのたびに立ち上がり、5度めの挑戦でついに五輪切符をつかんだのだ。吉村は「このメンバーで五輪の出場権を勝ち取ることができて、すごく嬉しい。つらい時期も一緒に乗り越えた絆がある。このチームが誇り。あきらめないでよかった」と涙をぬぐった。

 

「近江谷、小野寺、吉村と、チームの “コアメンバー” は10年以上も五輪への道を阻まれてきたわけです。その長い期間を乗り切ってここまでたどり着いたことは、いくら褒めても足りないと思います。

 

 しかも、2021年の北京五輪代表決定戦でロコ・ソラーレに敗退すると、メインスポンサー契約が打ち切られるという、マイナースポーツにとって死活問題にまで発展したのです。

 

 彼女たちは貯金を切り崩して活動を続けましたが、スポンサーがつかない期間は半年以上にも及びました。そして、クラウドファンディングを募り、なんとか活動を継続、今回の快挙につながったのです」(スポーツライター)

 

 競技面では、白井一幸氏のメンタルコーチ就任が大きかったという。

 

「白井氏は、日本が3大会ぶりに優勝した2023年のWBCで、コーチとしてチームを支えました。当時から、メンタルやコミュニケーションを大事にした指導には定評がありましたね。

 

 かつてのフォルティウスは、どちらかと言えば喜怒哀楽を表に出すチームではなかったし、コミュニケーションを積極的に取っているとは言えませんでした。ただ、白井氏が指導し始めると、フォルティウスは確実に変わったのです。

 

 たとえば、ライバルであるロコ・ソラーレとの試合中の指示は、会場のどこにいても聞こえるほどの大音量でした(笑)。休憩中の話し合いも『全部聞こえてるよ』と心配するほどの大声だったし、コミュニケーションも積極的でした。

 

 何事に対しても積極的になり、これも五輪出場の大きな要因になったと思います」(同)

 

 試合後、大きな拍手に包まれるなか、チームは五輪の開催地であるミラノの方角を意識して全員で弓矢を射るポーズを取った。まるで「獲るぞ金メダル!」と宣言しているかのように。

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出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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