
冨安健洋(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
2025年7月4日に英・プレミアリーグのアーセナルとの契約を、双方合意のもと解除した日本代表DFの冨安健洋。その後、無所属が5カ月以上続いてきたが、ようやく今後に向けての光が見えてきたようだ。
オランダリーグの名門・アヤックスとの契約が間近であると、複数の地元メディアが報じているのだ。
アヤックスといえば、1970-71年から、チャンピオンズリーグの前身であるチャンピオンズカップを3連覇するなど、欧州では無敵を誇った。その中心がヨハン・クライフだったことは言うまでもないだろう。いまでこそ「全員攻撃・全員守備」は当たり前だが、当時は「トータル・フットボール」と呼ばれ、その戦術はアヤックスが初めて披露し、その後は世界中のトレンドとなった。
また、選手育成のメソッドは、チームとしてしっかり確立され、指導法も世界中から注目されている。そのチームへの加入となれば、大怪我から復帰を目指す冨安にとっては、この上ない環境となるが……。
「冨安といえば、DFラインならセンターバックからサイドバック、また3バックでも4バックでもこなせるユーティリティは世界でもトップクラスです。その彼を移籍金なしで獲得できるとなれば、アヤックスにとっても、おいしい契約となります。
一方で、2026年北中米ワールドカップまでの短期契約と報道されていますが、いくら世界的なDFでも15カ月以上プレーしていないことを心配する声は多いんです。そこが、いまも契約締結と発表できない理由でしょう」(専門誌記者)
とはいえ、もし契約となれば本人はもちろんのこと、2026年の北中米ワールドカップでの優勝を目指す日本代表にとってのメリットは「計り知れない」とサッカーライターは語る。
「ご存じのとおり、北中米ワールドカップで日本はオランダと同組になりました。オランダ代表イレブンは日本同様、国外組が中心ですが、それでも数人はオランダリーグでプレーしています。その彼らと同じリーグで冨安がプレーできれば、選手の特徴はもちろん、戦術を経験することができる。これは大きいですね。
というのも、オランダリーグに属するチームは、多くが両ウイングを置いた4-3-3で戦います。これはオランダ代表も同じなんです。日常的にこの戦術を経験できれば、慣れるという意味でも大きな収穫となることは間違いありません」
ちなみに現在、オランダのリーグでプレーする日本人選手は、フェイエノールトで得点量産中の上田綺世(あやせ)、アヤックスの板倉滉ら計8選手。冨安の復帰は、代表のDFラインに安定をもたらすことは間違いない。一時は冨安ほか谷口彰悟、高井幸大(こうた)、板倉と、怪我により離脱が相次いだ。
だが、それらの選手が次々に復帰を果たし、しかも彼らがいない間に頭角をあらわした選手も少なくない。渡辺剛はフェイエノールトで、鈴木淳之介はコペンハーゲンのレギュラーとして、欧州チャンピオンズリーグで戦うまでに成長している。
「誰を選ぶか」から「誰を落とすか」に変わった日本のDFラインは、ハイレベルな戦いを続けている。
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