W杯北中米大会の組み合わせ抽選。左からインファンティーノFIFA会長、米国のトランプ大統領、メキシコのシェインバウム大統領、カナダのカーニー首相(写真・アフロ)
FIFAワールドカップ2026北中米大会(以下・W杯)の組み合わせ抽選会が、現地時間12月5日(日本時間6日未明)に米ワシントンでおこなわれた。
日本はグループFに入り、W杯準優勝3回の強豪・オランダ、アフリカの雄・チュニジア、そして欧州プレーオフB勝者(ウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニア)と相対することとなった。
サッカーファンにとっては、ここから本番までの約6カ月は、至福のときとなる。対戦相手とのシミュレーションに想像を膨らませ、仲間内で「ああでもない、こうでもない」との議論を繰り広げる。もちろん、現地観戦を目指す者もいる。そのひとときが、何物にも代えがたいからだ。
ところがわずか1週間後、彼らを奈落の底に突き落とすようなニュースが、世界中を駆け回った。とんでもないチケットの高騰だ。
「FIFAが発表したところによると、W杯のチケット抽選販売開始からわずか24時間で、500万件の申し込みがあったといいます。
今回、チケットの価格設定にはダイナミックプライシング(変動価格制)が採用され、需給バランスによって変動し、強豪同士や人気チーム同士の試合では値段が高くなります。
報道によると、現時点でグループリーグの入場券は、180ドル(約2万8000円)から最高700ドル(約10万9000円)と、かなりの高額。そして決勝は、さらに驚く価格になります。最低4185ドル(約65万円)で、最高価格ともなると8680ドル(約135万円)なのです。2022年カタールW杯の決勝チケットの最低価格は602ドル(約9万3000円)でしたから、約7倍にはね上がったことになります。
この価格は今後も変動すると見られ、たとえば世界ランク1位のスペイン対同2位のアルゼンチンが決勝で当たるとすれば、いったいいくらになるのか見当もつきません。
当然、この高騰に世界中から大ブーイングが寄せられていますが、大会を主催するFIFAは強気の姿勢を決して崩さないでしょう」(サッカーライター)
かつての西ヨーロッパでは、高所得層が好むスポーツはラグビーで、サッカーは低所得層が好むもの、という時代があった。
「しかしいま、現地ではサッカーも高所得層のスポーツになりつつあります。ふだんの各国のリーグ戦のチケットも高騰し続け、気軽には見に行けません。結局、スタジアム近くのパブに行き、ビール片手に雰囲気だけでも楽しむサポーターが増えているのが現実です。それがW杯ともなれば、なおさらです。
野球のMLBに目を移せば、2025年のワールドシリーズでは、バックネット裏チケットの値段が520万円と報じられました。野球もかつては庶民の娯楽として人気を集めましたが、この価格では、庶民はとても手を出せません」(同前)
ジャンルを問わず、人気拡大とともにチケット代も高騰することで、娯楽とは呼べなくなるようだ。
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