
桑田真澄
2025年オフ、巨人を退団した二岡智宏前ヘッドコーチ兼チーフ打撃コーチが、社会人野球チーム『ジェイプロジェクト』の監督に就任することが発表されたのは、12月17日のことだった。
二岡氏は1998年ドラフト2位で巨人入り。強肩強打の遊撃手として活躍。当時、スター軍団と呼ばれた巨人にあっても“ニイ~”の愛称で絶大な人気を誇っていた。2014年1月に引退。プロ15年間で1457試合に出場し、打率.282、173本塁打、622打点、1314安打を記録している。
2016年の巨人2軍打撃コーチを皮切りに、あらゆる役割の指導者を経験。BCリーグ富山でも監督を務めた。そして、2024年からは巨人でコーチとして重要なポジションに就いていた。
「発表では退団となっていますが、日本一奪回を目指しながらセ・リーグ3位に留まった責任を問われての解任ということです。ただ、巨人のチーム打率は.250とセ・リーグトップですから、続投でもおかしくなかったんです。
本人は退団後はしばらく現場を離れたかったようですが、『ジェイプロジェクト』の熱意に押される形で就任したようです。かつて、BCリーグの監督を務めた経験もあるので、仕事と野球を両立する選手たちの状況をよく理解しています。NPBを目指す選手たちに的確なアドバイスができることも、強みでしょう」(巨人担当記者)
二岡氏と同じように今オフに巨人を追われたのが、桑田真澄氏だ。しかも、2025年シーズンは2軍監督として、2位西武に8ゲーム差をつけての優勝という結果を残していたにもかかわらずだった。
「桑田氏としては2軍で結果を残し、教え子の泉口友汰がセ・リーグ2位の打率.301を残すなど、育てながら勝つことを実践しました。その自信もあっただろうし、桑田氏は来季も当然2軍監督を務められると思っていました。ところが、巨人内での評価はそれほど高くなく、フロント入りを打診されることとなりました。最終的には、意見が折り合わず、退団という結果になったのです」(同前)
12月18日、桑田氏は『オイシックス新潟アルビレックスBC』のチーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)の就任が発表された。CBOとは、監督以下、スタッフへの助言、指導、また選手育成のための育成メソッド考案など多岐に渡る。
「今オフ、『オイシックス』は元広島の松山竜平を選手兼任打撃コーチで迎えたほか、元巨人のアダム・ウォーカーらNPB経験者を多く補強していました。そして最後に桑田氏の加入。チームの本気度がうかがえますね。
ただ、桑田氏は、“背広組”(フロント)ではなく、現場の“ユニホーム組”(監督)でいたいと強く主張し、その願いが叶わなかったので巨人を退団したわけです。ところが、新たな仕事として選んだのが『オイシックス』の“背広組”なんです。そこに驚かされました。『オイシックス』は2024年からはNPBのイースタンリーグに参入し、今季も巨人の2軍と戦っていました。となれば、来季に桑田氏は、自分が育成した巨人2軍と戦うことになる。桑田氏の意地を感じずにはいられません」(スポーツ紙デスク)
元エースは大きな壁となって古巣に立ちはだかる。
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