
巨人・阿部監督
年の瀬も押し詰まった12月28日、日ハムファンの歓喜の輪が広がった。今季の日本シリーズ “覇者” ソフトバンクを自由契約となっていた有原航平投手が、日本ハムと契約合意に至ったからだ。2024・25年と2年連続で最多勝に輝いた右腕の古巣復帰は、6年ぶりのこととなる。
日ハムの新庄剛志監督にとって、来季は節目となる5年めのシーズン。悲願の初優勝に向け、この上ない戦力を得た。
「2021年からポスティングを利用してテキサス・レンジャースに移籍した有原ですが、同年5月に右肩静脈瘤で手術して長期離脱を強いられたこともあり、出鼻をくじかれた格好になりました。
2年間の成績は登板15試合で3勝7敗、防御率7.57と期待を大きく裏切るもの。そのリベンジを果たすべく、日本一のチームからあえて自由契約になったと思われました。
当初、移籍先は本命がMLB、対抗が巨人と見られました。資金力があるソフトバンクの引き留めを受けなかったことを考えれば、契約金と年俸を含めた契約条件は相当高額になる。それを出せるのはソフトバンク以外では巨人しかない。条件もソフトバンクを上回る3年20億円規模の大型契約を用意していたようです。
ところが蓋を開けると、契約は6年間在籍していた日ハムと結んだ。これには驚かされました」(スポーツ紙デスク)
日ハムとの電撃契約に、もっともショックを受けているのは巨人をおいてほかにはないだろう。
「今シーズン、巨人の先発ローテーションのなかで、二桁を勝ったのは11勝した山崎伊織だけです。菅野智之がボルティモア・オリオールズに移籍したことで、“新エース” へと成長が期待された戸郷翔征投手は、2度の2軍落ちを経験するなど、8勝止まり。二桁勝利も3年でストップしました。また、今季6勝をマークしたフォスター・グリフィン投手は、オフにワシントン・ナショナルズに移籍となりました。
阿部監督にとっては大誤算でしたね。投手の柱が不在の巨人にとって、有原はどうしても欲しい存在でしたから。今オフ最大の課題となっていたのは先発陣の補強でした。
ところが、中日の柳裕也投手は残留で、アメリカ帰りの前田健太投手は楽天移籍と、狙っていた2投手に逃げられてしまった。そんな状況下で、有原獲得は譲れないところだったんです。
しかし、結果は痛恨の “3連敗” 。いまのところ2026年に向けて先発陣の大きな補強はないだけに、苦しくなることは間違いありません」(巨人担当記者)
かつては「FAで各球団のエースや4番打者ばかり集める」と揶揄された巨人。しかし、ここ数年は争奪戦に参加しても連敗が続いている。引退後の就職で有利になるため、「最後は巨人で引退したい」と語っていた選手が多かったのは、もはや遠い昔の話。“巨人ブランド” の神通力も、大きく失墜したようだ。
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