
投球練習する則本昂大(写真・共同通信)
楽天から海外FAとなっていた則本昂大投手に、ようやくオファーが届いたと、複数の現地メディアが報じている。関係者によると、近日中に移籍か楽天残留かの決断をするという。
則本は、ルーキーイヤーの2013年春季キャンプ、オープン戦で結果を残すと、開幕を1軍でスタート。エースの田中将大がWBC参加により開幕戦を回避したため、則本が開幕投手に指名された。新人の開幕投手は、1984年のヤクルト・高野光以来、29年ぶりのことで、パ・リーグでは1958年の南海・杉浦忠以来、55年ぶりの快挙だった。
残念ながら開幕戦は敗戦投手となったが、その後は最速158kmの快速球に加え、切れ味鋭いスプリットで打者を翻弄。15勝8敗の見事な成績で新人王に輝いた。
翌年は田中がヤンキースに移籍したため、楽天でのポジションは入団2年めで早くもエースとなった。そこから5年連続奪三振のタイトルを獲得するなど、日本球界を代表する“三振の取れる投手”へと成長していった。
以来、楽天一筋で13シーズンを過ごす。途中、味方の貧打に泣かされることや、ケガで思うような投球ができず白星が伸びないシーズンもあった。それでもチームからの要求があれば、たとえ不調でもマウンドに立ち続けた。
2024年には、安樂智大の後輩選手へのハラスメントによる退団、そして長年、絶対的守護神として活躍した松井裕樹のサンディエゴ・パドレスへの移籍もあり、クローザー転向を強いられた。
「当然ですが、則本には10年間、先発の大黒柱として投げ続けてきたプライドがありました。それでもクローザー転向に文句ひとつ言わず、腕を振り続けてきたのです。
自身の不祥事で離婚も経験した。それでもチームへの貢献度を選手たちも間近で見てきただけに、海外FAを宣言したときも、みんなが快く送り出そうという雰囲気だったんです。今回オファーがあったことで、本人同様、周囲も喜んでいると聞いています」(楽天担当記者)
気になる今後だが、「先発復帰ではなく、中継ぎとして投げていくのではないか」と続ける。
「35歳となったため、かつてのような豪速球は難しいかもしれませんが、それでもまだまだ切れ味は鋭い。則本は身長178cmとMLBでは小柄なだけに、浮き上がるようなストレートを見せ球にしていくのではないでしょうか。
また、MLBで活躍するためには不可欠である落ちる球も、則本はスプリットとチェンジアップの2種類を持っていますから、これも有効です。楽天でチームメイトだった松井のような使われ方をしていくでしょう。いずれにせよ、今回がラストチャンスになりそうです」
最近の選手は、入団当初から「ゆくゆくはMLBへ」と口にすることが多い。しかし、則本にはMLB志向はそれほどなかったという。
それが、2014年の日米野球での好投に、周囲から「向こうでも通用する」「行ったほうがいい」とすすめられ、気持ちが変わってきたという珍しいケースだ。
則本は、ようやく世界最高峰の舞台への挑戦権を得ようとしている。
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