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新大関・安青錦がさっそく綱取り宣言!「安治川部屋だからこそ、こんなに早く強くなれた」【初の師弟対談】

スポーツ 記事投稿日:2026.01.11 06:00 最終更新日:2026.01.11 06:00

新大関・安青錦がさっそく綱取り宣言!「安治川部屋だからこそ、こんなに早く強くなれた」【初の師弟対談】

一月場所直前に対談をおこなった安青錦関(左)と安治川親方(写真・梅基展央)

 

 1月11日に初日を迎える大相撲初場所(東京・両国国技館)。なんといっても注目は新大関・安青錦(あおにしき・21)だ。初土俵から所要14場所での大関昇進は、歴代1位のスピード出世(年6場所制以降、付け出しを除く)。21歳8カ月での昇進も、貴ノ花(二代目)、北の湖、白鵬に次ぐ4位の年少記録だ。

 

 2022年2月にロシアによるウクライナへの侵攻が始まり、4月に単身で来日。同年12月に安治川部屋の研修生となった。それから3年。

 

 大関となった安青錦と師匠の安治川(あじかわ)親方(元関脇・安美錦/あみにしき)に3年間の日々を振り返ってもらった。

 

ーー親方は以前、外国人の弟子を取らないつもりだったそうですね。

 

安治川 3年前はまだ部屋を興したばかり。弟子も一人だけでね。そこで外国人を受け入れても、ちゃんと面倒をみられるかという不安もあった。でも、報徳学園相撲部の福田耕治元監督から「今うちで稽古しているコがいる。すごく素直なコだから」という話があって、福田先生がそう言うなら、会ってみようかとなったんです。

 

安青錦 そのときのことは、今も憶えています。まだ日本語がそんなにわからなかったんですけど、たぶん「ちゃんとやれるか、大丈夫か?」みたいな感じだったと思います。だから「はい」と言いました。

 

安治川 ちゃんとわかっていなかったのか?(笑)

 

安青錦 はい(笑)。

 

安治川 初めて会ったとき、ただ強くなりたいとかいうだけじゃなくて、何より相撲が好き、相撲という文化を好きだという気持ちを感じたんだよね。部屋の親方としては、そういうところを大事にしたいと思っていたから「じゃあ、うちに来るか」って。

 

安青錦 すごく嬉しかったです。相撲界には外国人がたくさんいて、なかなか入る部屋がないのはわかっていましたから。安治川部屋に入って本当によかったと、今も思います。この部屋じゃなかったら、こんなに早く強くなってないですから。

 

ーー日本に来てから4年近くですが、苦労したことは。

 

安青錦 やっぱり日本語です。最初のころは、もう全然わかりませんでした。部屋に来てから、だいぶんわかるようになりました。ほかの力士とか、師匠やおかみさんとかと話をしながらどんどん覚えました。

 

ーーウクライナの人は、明るい人が多いそうですね。

 

安青錦 そうです。自分はおとなしいほうですけど、話すのは嫌いじゃないです。日本語も自信がついてきました。

 

安治川 食べ物に関しては、あれがダメとかないよな?

 

安青錦 はい、大丈夫です。

 

安治川 でも最近は、ちょっと(好き嫌いを)言うようになってきたじゃないか。

 

安青錦 苦手なものはありますけど、食べられないことはないです。本当は、梅干しとか、好きじゃない……。

 

ーー自由時間は何を?

 

安青錦 何もしないですよ。スマホでYouTubeを観たりするくらい。ほかのものを観ていても、ついつい相撲の動画を観てしまいます。

 

安治川 それも、研究って感じじゃないんだよね。とにかく、相撲が好きなんだな。自分が21歳のときは何をしていたか……。ああ、部屋にいる時間より、飲み屋にいる時間のほうが長かったかな(笑)。

 

安青錦 自分は誘われたら飲みに行きますけど、自分からは行かないです。お酒を飲んでいる雰囲気は好きですけど。

 

安治川 いいじゃない。そういう楽しみは、引退してからでいいんだから。でも、安青錦はよく飲みますよ。「強い」じゃないです。「めちゃくちゃ強い」です。だから一緒にいると、安心して飲める。自分が潰れても、連れて帰ってもらえるという安心感があるからね。

 

ーー大関になったわけですが、師匠から見て「課題」は?

 

安治川 相撲に関しては、まだまだ完成していませんからね。今までやってきたことに加えて、やらなきゃいけないこともたくさんあります。

 

ーー安青錦関の「ここがいい」という点はどこでしょう?

 

安治川 人の話を素直に聞けるということ。そして、そこから自分なりに考えられること。それが強みだと思います。

 

安青錦 ありがとうございます。

 

安治川 素直じゃなくなったときが心配です(笑)。

 

安青錦 そうならないようにします。

 

ーーでは、「ここは直してほしい」というところは?

 

安治川 そうだね……ちょっと気にしすぎるところがあるよね。食べ物の汁とかで着物が汚れたりすると、あからさまに機嫌が悪くなるから。

 

安青錦 はい。すぐ帰りたくなります(笑)。

 

安治川 でも、そういうところもいいのかもしれない。細かいところに気がつくと、どこにどんなヒントがあるかわからないからね。

 

安青錦 はい。

 

ーー気が早いかもしれませんが、結婚を考えたことは?

 

安青錦 いや、考えたことはないです、今はまだ……。

 

安治川 自分が結婚したのは34歳で、力士としては遅いほう。でも、それでおかみと出会えたわけだから、本当によかったと思う。まあ、そういう人が現われたときが、そういうタイミングなんじゃないですか。

 

ーー最後に、今年の目標を。

 

安治川 安青錦に関しては、大関になったからといって、これまでのことを変える必要はないと思う。そして、さらに上を目指そうということ。

 

安青錦 はい。もうひとつ上(の番付=横綱)を目指して頑張ります。

 

■安治川部屋おかみさんが語る新大関の “語学力”

 

 最後に、安治川部屋おかみ・杉野森絵莉さんに、新大関の “語学力” について話を聞いた。

 

「部屋に来たのが3年前で18歳。その年末に部屋のパーティがあって、親方のスーツを借りて着ていたのを思い出します。それからたった3年で大関ですから驚きます。

 

 日本語はすごく上手になりましたね。今も部屋でほかの力士と生活していますけど、そうやって24時間日本語で話しているから、吸収も早いのでしょう。

 

 私もウクライナ語を勉強しているんですが、これが難しくて……(絵莉さんは英語、フランス語も堪能)。彼の日本語の上達のほうが早いので、私がウクライナ語を話せなくても大丈夫です(笑)。

 

 性格はとにかくストイック、真面目です。21歳ですけど、外に遊びに行くこともないですし。あとは何事にも慎重で、考えすぎるところがあります。でもそれが彼のよさでもありますから、これからも自分らしく、まっすぐ進んでいってほしいです。

 

 大関になって、これからもっと大変になると思いますが、親方とともにしっかりサポートしていきたいと思います」

 

安青錦新大(あおにしきあらた)
本名:ヤブグシシン・ダニーロ 2004年3月23日生まれ ウクライナ出身 182cm140kg。2023年九月場所で初土俵。2025年三月場所で新入幕。同年十一月場所で初優勝し、大関に昇進

 

安治川竜児(あじがわりゅうじ)
本名:杉野森竜児 1978年10月3日生まれ 青森県出身 最高位は東関脇。「業師・安美錦」として活躍し、金星8個、三賞は12回。2019年40歳で引退。関取在位117場所は魁皇と並び歴代1位タイ。2022年12月、安治川部屋を再興

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出典元: 週刊FLASH 2026年1月20日・27日合併号

著者: 『FLASH』編集部

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