
NBAで活躍する八村塁(写真・共同通信)
日本バスケットボール協会(JBA)は2月2日、日本男子代表のトム・ホーバスHCとの契約終了を発表した。JBAは「今後の代表強化に関しての方向性の相違によるもので、個人の責に帰すものでは無く、JBAとしての今後の方針に沿って総合的に判断し、契約終了の決定に至りました」と契約終了の理由を語った。
しかし「契約終了というより、解任ですね。主な理由の一つとしてホーバスHCと八村塁選手との間に確執があったことは間違いありません」と、スポーツライターは語る。
2人の確執が表面化したのは、2024年11月13日(日本時間14日)のことだった。
「ロサンゼルス・レイカーズの試合が終わり、いつものように会見に臨んでいた八村でしたが、自ら『僕としてはあまり言いたいことではないんですけど……』と日本代表について話し始めたんです。それは衝撃の内容でした。『日本代表としてずっとやってきて、いま思っている中で、ちょっと日本代表のやり方というか、そういうところがあまり僕としてはうれしくないところがあって。僕もNBAでやっているなかで、強化というか子供たちのためとか、日本のバスケを強くするためにやっている。けど、日本代表のなかでその目的ではなく、お金の目的があるような気がする』と、協会の運営に疑問を投げかけたわけです。
さらに八村は『代表のHCは男子のことが分かっている、プロとしてもやったことがある、代表にふさわしい人になってほしかった』と、公然と日本代表のトム・ホーバスHCに“失格”の烙印を押したのです。これには本当に驚かされました」(スポーツライター)
そもそもホーバスHCと八村の確執はいつから始まったことなのか。JBA関係者で、2024年パリ五輪にも帯同したスタッフが語る。
「細かいことを含めれば、いろんな原因があったことは間違いありません。パリ五輪には3人の専属シェフが帯同しましたが、アメリカでの生活が長い八村選手にとっては少々物足りなかったようで、たとえば朝食は卵6個以上、フルーツ多めなど、ボリュームある食事を要求。他の選手と違ったメニューということもあり“八村弁当”と呼ばれていた。それをホーバスHCが知ると、『あなた日本人でしょ、みんなと同じ食事じゃダメなのか』と苦言を呈したのです。
もちろんコート上でもぶつかり合うことはありました。フォーメーション練習でうまくいかなくなると、わざと八村選手に強く当たる。中心選手に対しても引かない姿勢を見せたかったからだと思います。また興奮してくると、よくアメリカの監督がやるように、手を後ろで組みながら顔を突き出して、『君はスターだろうけど俺のチームにスターはいらない。チームのために自分を棄て、犠牲になって貢献しろ!』とまで言っていました。さすがに八村も『そのつもりでやってる!』と言い返していました。そこまでやり合い、チームの雰囲気は最悪でしたよ」(スタッフ)
こうしたことがパリの選手宿舎、練習コートでは日常的だった。しかし、それから3カ月余り、JBAの渡邊信治事務総長は、八村の発言に厳重注意するどころか、「重く受け止めている。(お金の件は)我々のなかでミスコミュニケーションがあり負担をかけてしまった」と謝罪する始末。あまりの協会の弱気な姿勢に、驚いたバスケファンも多かったはずだ。
「昨年夏のアジアカップでホーバスHC率いる日本代表は、準々決勝進出決定戦のレバノン戦で73−97と惨敗し、決勝トーナメント進出を逃す屈辱の敗退が決まりました。この時点でホーバスHCの解任が決まったような報道もありましたが、解任への“ひと押し”だったにすぎません。渡辺氏が八村に謝罪した時点でホーバスvs.八村は、八村に軍配が上がり、解任への方向性は決まっていたとみるべきです。
ただし、これは世界的に見ても“ありえない”ことです。現在、八村は日本人選手としてNBAの舞台で活躍しており、日本バスケットボール界の至宝であることは間違いない。ただ、いくら飛び抜けた存在であっても、一選手が協会や監督を批判したなら、よくて厳重注意、最悪なら追放処分を受けてもおかしくなかった。サッカーのアルゼンチン代表における、リオネル・メッシが同じことをしてもそうです。それがプロスポーツの世界です。批判した選手がチームに残れることは、まずありません」(前出・ライター)
目先の勝利が大切なのは間違いないが、JBAがチームスポーツの基本を忘れたとすれば、大きなしっぺ返しがあるかもしれないーー。
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