ミラノ・コルティナ冬季オリンピック(写真・JMPA)
2月7日(日本時間、以下同)に開催したミラノ・コルティナ冬季オリンピック。22日現在、日本代表は金メダル5個を含む、獲得総数24個で冬季オリンピック最多となっている。閉会式が近づくなか、オリンピック関係者が懸念しているのは、その空席具合だ。
「閉会式は、歴史的な建造物としても有名なヴェローナ・オリンピックアリーナでおこなわれます。イタリアの豊かな文化を象徴しており、世界規模のイベントのフィナーレとしてぴったりの会場です。しかし、閉会式のチケットがあまり売れていないんです。
理由は、チケットが高すぎること。開会式では、もっとも安価なチケットでさえ260ユーロ(約4万8000円)でした。夏・冬合わせて多くのオリンピックを取材してきたベテラン記者も『客が70%ほどしか入っていない開会式は初めて見た』と、驚いていました。ヴェローナはミラノから高速鉄道で約1時間かかるため、開会式より人が少ないかもしれません」(スポーツ紙記者)
開会式の会場となったサン・シーロ・スタジアムは、セリエAに所属するACミランやインテルのホームスタジアムとしても有名だ。
「人気サッカークラブのACミランとインテルは、同じ都市とスタジアムを本拠地としてライバル関係にあり、両者の対戦はミラノダービーとして世界中から関心を集めるビッグマッチになります。2024年には、リーグ優勝決定戦がミラノダービーとなり、世界中から注目が集まりました。
今季は首位をインテルが走り、2位のACミランが追いかける展開となっています。2位ながらACミランは、UEFAチャンピオンズリーグで7回の優勝を誇る名門クラブです。“司令塔”のルカ・モドリッチを中心に、ラファエル・レオンやクリストファー・エンクンクなど主力メンバーも充実しています」(サッカーライター)
19日には、サン・シーロ・スタジアムでACミラン対コモの試合がおこなわれた。そこでのファンの熱量は、冬季オリンピックとはどう違ったのだろうか。
試合開始の2時間前、スタジアムを目指して電車に乗ると、車内には大量のサポーターたちが。ACミランの赤と黒のマフラーや、ダウンの下からチラリと赤いユニホームを見せる人でごった返していた。最寄駅や会場周辺では、臨時のグッズショップや屋台が立ち並び、ビール片手にハンバーガーを口にするファンで大賑わいだった。
試合開始前、ACミランのサポーター(ミラニスタ)に「冬季オリンピックについてどう思うか」を聞いた。イタリア在住の男性は、「まったく見てないね」と、自国開催にもかかわらず、無関心な様子。
「そもそも、イタリアというか、ヨーロッパはサッカーがいちばん人気で、ウインタースポーツを見る人が少数派なんだ。とくに、ミラノにはビックチームが2つもあるしね。ユヴェントスも近くにあるし。サッカーのほかには、テニスのヤニック・シナーを見るくらいかな」
スタジアム近くでの取材ゆえか、何人かに声をかけても、オリンピックを見ていないという人ばかり。やっとのことで見つけたのは「見たのはアルペンスキー女子だけかな。国民的スターのソフィア・ゴッジャが出ていたから。たぶんだけど、3月8日にミラノダービーがあるから、多くのミラノ住民の関心はこっちじゃないかな」と語ったイタリア人女性だけだった。
会場に入ると、スタジアムはほぼ満員。サッカー専門のインターネットサービスを展開するアプリ「FotMob」によると、収容人数7万5817人に対して、観戦者は7万5251人と99%の入場率で、オリンピックの開会式とは比べものにならなかった。後半63分、レオンがループシュートで同点に追いついた際には、観客が総立ちになり、地割れのような歓声が鳴り響いた。
試合後、駅のホームには人だかり。寒さのなか、泥酔した上裸の青年が、ACミランの応援歌を叫びながら、リズムに合わせて電車の壁を叩いていた。
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