左から清水勉弁護士、村上健二氏、金子慶輝氏(写真・保坂駱駝)
「連盟の体制が何も変わらなかったことで、今回の事態を招いたのです」
3月30日、文部科学省で記者会見を開き、五輪不出場問題について言及したのは、ボブスレー元日本代表選手の村上健二氏と金子慶輝(よしき)氏だ。
「ミラノ・コルティナ冬季五輪では、ボブスレー連盟のスタッフが五輪への出場資格要件を見落としていたため、男子日本代表が出場できなくなるというトラブルがありました。それ以外にも、選手らは連盟の不祥事や不手際を日本オリンピック委員会(JOC)に対し公益通報してきましたが、改善されることがなかったため、今回の記者会見に臨んだそうです。
このままだと、日本からボブスレーという競技が消滅する、という危機感を抱いた2人は『ボブスレーの未来を切り開く選手の会』を立ち上げました。この団体には日本代表OBも参加しており、現役選手にも聞き取り調査をおこないながら、連盟に対する活動をしていくつもりです」(社会部記者)
村上氏らが指摘するボブスレー連盟の問題は、すでに10年前から始まっていたという。
「2018年の海外遠征のときには、連盟所属のコーチが選手を乗せて飲酒運転を繰り返し、2020年には連盟スタッフによる当て逃げ事故もありました。2021年には、スタッフがスタート前のそりを勝手に調整し、ハンドルが故障して操作不能に陥り、選手が投げ出されたことも。さらに、連盟関係者による女性への暴行未遂事件も報じられました。
2022年には、複数の選手が一連の問題をJOCに公益通報しましたが“無視”されたのです。2023年にも、JOCの元理事を通じて通報しましたが『JOCとしてはこれ以上、介入するのは得策ではない』として、何も対応してくれませんでした」(村上氏)
連盟の不祥事を選手が問いただしたところ「選手は競技のことだけ考えていればいい」と言われたこともあったという。こうした事態に、会見に同席した代理人弁護士の清水勉氏はこう話す。
「JOCの公益通報は機能していないのではないか。窓口はあっても、どういう陣容で、通報内容にどう対応しているのわからない。これでは選手を救済できない。スポーツ庁、JOC、ボブスレー連盟のいずれも、通報に対し機能していないと言え、立て直さないと駄目だろう」
こうした事態に、村上氏らはスポーツ庁に対し要望書を提出。ミラノ・コルティナ冬季五輪に出場できなかったことに対し、独立した第三者委員会の設置や、連盟内に現役選手や競技経験者を含めた「アスリート委員会」を設置することを求めた。
「2018年から、2022年の北京冬季五輪を目指してきましたが、連盟が国際ルールを誤認して、出場できませんでした。そこからあと4年、選手でいることは厳しいと思って、日本代表を辞めました。やりたかったという思いはいまもあります。連盟の体制が変わって環境が変われば、また目指すかもしれません」(金子氏)
五輪でボブスレー日本代表が見られる日は来るのだろうか。
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







