
ムーキー・ベッツ(写真・AP/アフロ)
開幕4試合を終え15打数3安打、打率.200と、特別好調とは言えない。だが、得点圏打率に目を向けると6打数3安打、1本塁打、5打点と抜群の勝負強さにうつる。これが今季、ロサンゼルス・ドジャースの3番を任されているムーキー・ベッツだ。
「昨季のシーズン出だしは最悪でした。日本でシカゴ・カブスとの開幕戦を迎えたド軍でしたが、ベッツはインフルエンザにかかり、試合前に一人帰国。体調はなかなか回復に向かわず、体調は7kgも減ったといいます。結局、体調不良とはひとシーズン付き合うことになり、20本塁打、82打点を記録しました。打率.258はド軍に移籍してから最低の成績となりました。
それと比べて、今季は調整がうまくいき、良いコンディションで開幕を迎えたようです。WBCは奥さんの出産に立ち会うために辞退していましたから。また、打順も昨季の2番から3番に変わったこともいい結果につながっています。何しろ大谷のあとを打つことはベッツ本人も『大変なプレッシャーがある』と認めていましたからね。そこから解放されたことも良かったのでしょう。
さらに、いい調整の手助けとなったのが、山本由伸投手が師事する矢田修トレーナーに“弟子入り”したことです。キャンプや試合前でも、山本と同じように槍投げを取り入れた練習をこなしています」(現地記者)
山本が矢田氏考案の「BCエクササイズ」に取り組んでいるというのは有名な話だ。このエクササイズは、自然と調和することで自律神経の働きを高め、細胞レベルから改善を目指すというもの。
本誌は以前、矢田氏にそのトレーニング方法を取材したことがある。
「まずは“正しく立つ”ことが重要なんです。正しく立つことができなければ、正しく歩くことができない。正しく走れないし、正しく投げることもできない。すべてはつながっているんです。自分ではまっすぐ立っているつもりでも、ちゃんと立てていない人は多い。山本君もこの修正からでした。
簡単なことで、筋トレをやり続けると、可動域が狭くなります。そうなると、筋肉が力むことを覚えてしまう。そんなとき、監督から『力を抜いて動け』と言われたら、どうするか。山本君は筋トレをいっさいやりませんが、オリックス時代、走力やバーベル上げなどの基礎数値はチームでトップクラスでした。それは、彼がやり続けている槍投やブリッジなどが、全身を使ってこそできるものだからです。続けたことで体は大きくなったし、若いころ悩んでいた肘の張りもなくなりました」(矢田氏)
2023年に山本がポスティング移籍をした後、矢田氏のもとには色々なメジャー選手が訪れたという。
「多くの選手が話を聞きに来てくれました。ド軍のほうからも『選手が話を聞きに来たら、答えてやってくれ』と言われてもいましたから。そんななか、いちばん最初に教えを頼んできたのは、ムーキーでした。それは2人の体のサイズに関係したと思いますね」(矢田氏)
山本は身長177.8cm、体重79.8kg、ベッツは175.3cm、81.6kg。MLBのなかでは小柄な部類に入るが、サイズ的には近い。
「アメリカでは、『体が大きいほど有利』という先入観があると思うんです。大きい人ほど評価されやすいじゃないですか。ムーキーは、少年野球を始めたころ、体が小さいという理由で、どのチームも入れてくれなかったそうです。野球はうまいのにね。だから、山本君が小柄なのにいい成績を残したことで、ムーキーも僕のトレーニングに興味を持ったのだと思います」(矢田氏)
“スーパースター”にして、こういう姿勢の選手がチームの中心にいるからこそ、ド軍は強いのだろう。
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