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両親は薬丸裕英&石川秀美…薬丸隼人さん、サッカー・ベルギー1部リーグの強化部スタッフになっていた「父からは『人へのリスペクトを忘れるな』と」

スポーツ 記事投稿日:2026.05.02 06:00 最終更新日:2026.05.02 06:00

両親は薬丸裕英&石川秀美…薬丸隼人さん、サッカー・ベルギー1部リーグの強化部スタッフになっていた「父からは『人へのリスペクトを忘れるな』と」

休日は地元のアマチュアチームで汗を流しているという隼人さん。「一緒にプレーすることで、その地域の人々の人間性がわかるんです」(写真・渡辺航滋)

 

 ネット関連企業のDMM.comが経営権を持ち、日本人選手8人を擁するベルギー1部リーグのシント=トロイデンVV(STVV)が好調だ。2025−2026シーズンは、3月下旬まで続いたレギュラーシーズンを3位で終え、現在は優勝と来季のヨーロッパカップ戦出場権をかけたプレーオフ1の真っ只中にいる(最終戦は5月24日)。

 

 2017年11月に、同社が経営権を取得して以来、STVVがプレーオフ1を戦うのは初めてのこと。その躍進を裏で支えるスタッフの一人、薬丸隼人さん(33)は意外なバックグラウンドの持ち主だ。両親は元シブがき隊の “やっくん” こと薬丸裕英さん(60)と、元アイドルの石川秀美さん(59)である。隼人さんは日英西独蘭と5カ国語を操り、強化部のスタッフとして現地に常駐し、選手の契約交渉やチーム編成などに携わっている。

 

 隼人さんは、なぜ欧州サッカーの現場で働いているのか? 聞けば、中学卒業と同時に渡欧し、プロサッカー選手を目指していたという。

 

「中学時代は、横河武蔵野FCのジュニアユースでプレー。高校時代はスペインとイギリスで過ごし、卒業後はスペイン2部サバデルのユースチームに所属していました。ただ、プロへの道は厳しく、24歳のときのオーストラリア2部ウロンゴン・オリンピックでのプレーが最後になりました」

 

 その後2018年から、かつて宇佐美貴史(G大阪・33)や田中碧(リーズ・27)らが所属していたドイツのフォルトゥナ・デュッセルドルフでクラブスタッフとして従事し始め、2022年にSTVVへ “移籍” 。選手としては志半ばで夢破れたが、海外生活のなかで身につけた語学力が、今では大きな武器になっている。

 

「今はAIもありますし、言語はよくも悪くも(コミュニケーションの)ツールでしかないんですけどね。ただ、僕は中学1年のときに交換留学で3カ月間、スペインのバルセロナに行ったのですが、自分の言いたいことを伝えられずに、すごく悔しい思いをした経験があります。そのときに言葉の重要性を理解し、海外に住む以上、その国の言葉を覚えるのを自分のルールにしました。やっぱり、誰しも母国語のほうが自分を表現できるじゃないですか。だから、その国の言葉で話すと相手も自然にオープンな気持ちで接してくれる。日本人の方でも、外国人の方が頑張って日本語を話してくれると嬉しいと思うようにね」

 

 そんな発想になっていく過程には、父親の教えが影響しているようだ。

 

「父から仕事に対して、何か言われることはありません。ただ、子供のころからずっと言われてきたのは『自分の選んだ人生を正解にするために、しっかり努力すること』。とくに、海外で暮らすなか『郷に入れば郷に従え』『その国に行ったら、その国のルールに従え』『人へのリスペクトを忘れるな』ということですね。そうした父の教えが、語学を学ぶひとつの理由になったのは確かだと思います」

 

 薬丸さんといえば、1982年のデビュー曲『NAI・NAI 16』の「ジタバタするなよ!」という決め台詞が懐かしい。父親譲りの低い声で淡々と語る隼人さん自身もまた、焦らず、騒がず、自らの道を欧州で切り開いてきたのだろう。両親が芸能人だったことで、同じ道を目指そうと思ったことはないのかも気になる。

 

「5人きょうだいの長男は舞台俳優として活動していますが、僕は芸能界に憧れることはなかったですね。子供のころにいろんな習い事をさせてもらったなかで、いちばん熱狂できたのがサッカーでした。父はそれほどサッカーが好きではなかったですが……(苦笑)。幼少期は両親が芸能人だったことで周囲から皮肉られたこともありましたが、それを気にすることはなかったです。むしろ、好きなことにチャレンジできたのは親のおかげですし、感謝しかありません」

 

 母・秀美さんも、かつて “花の82年組” として活躍した人気アイドルだった。

 

「母は、サッカーの練習や部活のときに朝早くからお弁当を作ってくれるなど、本当に支えてくれました。家を出た今、そのありがたみをより感じます。(母との思い出?)唐揚げですかね。いつもお弁当に入っていて、ちょっと味が染み込んでいる独特な唐揚げなんです。運動会のときなどは、友達にもとても評判でした」

 

 今年3月の日本代表の英国遠征には、STVVからも34歳のベテランDF谷口彰悟と、20歳の新星ストライカー後藤啓介の2選手が選ばれている。2人はともに北中米W杯でのメンバー入りも期待されるが、隼人さんはふだんの彼らをどう見ているのか。

 

「谷口選手はイケメンですし、人間性も素晴らしく非の打ちどころがない。ひと言ひと言に重みがあり、カリスマ性を感じます。後藤選手はまだ若く、試合結果によっては感情が表に出てしまうこともあります。ただ、それだけ勝利や成長への欲が強いということですし、その熱さが魅力。日本代表の強化に貢献したいというのはSTVVのフィロソフィーでもあるので、彼らがW杯で活躍してくれることをクラブとしても願っています」

 

“父・やっくん” の背中を見て育った隼人さん。芸能界ではなくサッカー界を選び、今ベルギーの地からクラブの躍進と日本代表候補たちの未来を支えている。

 

写真・渡辺航滋
取材&文・栗原正夫

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出典元: 週刊FLASH 2026年5月12日・19日合併号

著者: 『FLASH』編集部

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