
14号HRを放った村上宗隆(写真・共同通信)
今季のNPB開幕前、スポーツ紙恒例の順位予想では、ほとんどの評論家がヤクルトを最下位とした。もちろん、投手陣の力不足も予想には反映されているはずだが、一番大きな理由は“打撃の要”が失われたからだ。ツバメ打線の屋台骨を担った男は今、海の向こう側でも記録的な活躍を続けている──。
5月5日、シカゴ・ホワイトソックスの村上宗隆はエンゼルス戦で3試合ぶりの14号2ランを放ち、ヤンキースのアーロン・ジャッジと並ぶ本塁打数1位タイとなった。
「多くの評論家は、今季の村上の本塁打数を20本前後と予想していました。その理由として、2022年に日本人最多の56本塁打を放った後は年々本数が落ちていることと、松井秀喜のMLB1年めが16本、大谷翔平が22本だったことなどがあります。ところが、6日現在で当初の予想まであと6本に迫っています。球団にとっては、まさに嬉しい誤算です」(スポーツ紙デスク)
では、渡米1年めの村上は、ヤクルト時代と何が変わったのか。スポーツ紙のヤクルト担当記者が解説する。
「まず見た目が大きく変わりましたよね。以前は色白で、“もち肌”と女性からも羨ましがられるほどでした。その一方で、現在はよく日に焼けています。髪にメッシュが入っているのは以前と変わりませんが、口ひげを生やし始めたし、ワイルドなイメージが強くなりました。
そして、一番の変化は、明らかに体重が増えたことですね。顔はパンパンだし、二重あごにもなっている。フッと力を抜いたときなどは、お腹が出ているときもあるくらいです。もっとも、この増量は本人の意思によるものです。三冠王と56本塁打を達成した2022年の体に戻そうと、“体重増加計画”の途中だそう。三冠王達成後の2年間は、パワーをつけるために増量したものの、増やしすぎてしまった。その後、絞ったようですが、今度は身体が軽すぎると感じるようになってしまったとか。体重の上下でずいぶん悩んだようです」
では、これまでと変わらない点はどうか。
「四球の多さですね。ヤクルトでの8年間で4度も四球王になっていますが、MLBでの28個はニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手と並んでア・リーグ2位。選球眼のよさは相変わらずです。また、変わっておらず嬉しくないポイントとして挙げられるのが、三振の多さでしょうね。ヤクルトでは4度三振王になりましたが、MLBでの51三振は全30球団中、ワーストです。三振か本塁打か。これも村上の魅力でしょう」(同前)
そして日米を通じ、好調の陰には名コーチの存在があるようだ。
「ヤクルト時代は、杉村繁元打撃コーチがつきっきりで村上を指導し、球界を代表する選手に育て上げました。杉村氏は青木宣親、山田哲人も育てた名伯楽です。ホ軍に移籍しても同様で、デレク・ショーマン打撃コーチがその人です。開幕してからしばらくは本塁打にできるのは速球だけ、と悩んでいる時期が続いたようなんです。そこで打席での立ち位置などの的確なアドバイスをすることによって変化球にも対応できるようになりました」(同前)
興味深いのは、両コーチとも選手としては活躍できなかったという共通点をもつことだ。杉村氏は高知高校から1975年のドラフト1位でヤクルトに入団も、通算11年で147安打しか記録していない。引退後は球団広報に転身し、“長嶋一茂番”として活動した時期もあった。コーチ業は2000年からだ。
ショーマン打撃コーチは独立リーグで2012年に現役を引退し、指導者に転身。彼の名を一躍有名にしたのは、未完の大器と言われたカイル・ストワーズ外野手をオールスター出場選手に育て上げたこと。ショーマン打撃コーチはまだ35歳の若さで、将来を嘱望されている。
村上はホ軍と2年総額3400万ドル(約53億7000万円)と、“格安”で契約した。ほかの29球団は苦虫を嚙み潰しているに違いない。
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







