
玉鷲
大相撲五月場所(東京・両国国技館)8日目。竜電と対戦した玉鷲は「つきひざ」で敗れ、初日から8連敗となり負け越しが決まった。今場所の番付は西前頭十三枚目。少なくとも6勝しないと、十両陥落の可能性が高い。
「土俵ではあまりテーピングをしない力士ですが、今場所は右足に大きなサポーターを巻いています。よほどケガの状態がよくないのでしょう。取組を見ていても、右足にあまり力が入らないようです。場所前の春巡業は腰痛で途中から休場していますし、まさに満身創痍といった状態です」(相撲記者)
19歳だった2004年に初土俵を踏んで以来、休みなく土俵に立ち続けてきた玉鷲。初土俵からの連続出場回数は1786回で、ギネス認定も受けている(五月場所8日目まで。2022年七月場所は、同部屋力士が新型コロナウイルス感染のため途中休場も、連続出場記録は継続)。
幕内在位100場所は、魁皇の107場所、白鵬の103場所に次いで歴代3位。2025年七月場所では、三賞獲得、金星獲得の最年長記録を打ち立てている。
これまで2度の幕内優勝を成し遂げてきた鉄人も、すでに41歳。2025年七月場所で勝ち越して以来、5場所連続の負け越しとなり、十両陥落も濃厚となっている。
いつも笑顔を絶やさず、誰からも愛される玉鷲だが、入門の経緯は異色だ。19歳で、モンゴルから来日するまではホテルマンを目指して大学に通っていた。相撲経験なし。スポーツ経験もほぼゼロ。だが、「この大きな体を生かせないか」と考えたという。とりあえず両国に行き、見かけた力士の後をついていったら相撲部屋だった。
以前、本誌のインタビューでは、「モンゴルに帰りたいと思ったこともある」と語っている。
「自分がモンゴルに戻ったら、『あんたの息子は帰ってきた』って、お母さんが言われてしまう。それはいけない。だからなんとしても、やめるわけにはいかなかったんです」
嫌いな日本語は「しょうがない」。
「しょうがないってことは、そこであきらめるわけですよ。なぜあきらめるの。頑張ればなんとかなるんだよ」
37歳で2度めの優勝を果たした2022年九月場所後のインタビューでは、こう語っている。
「この年でも相撲を取れるのは、やっぱり丈夫な体で産んでくれたということが一番。あと大事なのは気持ち。だんだん年を取ってくると、相撲が楽しくない、何のために苦しいことやってるんだとか、そういう気持ちが相撲にも出てくるんだよ。そういうふうにはなりたくない。相撲がつまらないな、楽しくないと思ったら、そこまで。やめるしかないと思っている」
8連敗を喫した後でも「あと7日ある」と、あくまでも前を向き続ける鉄人。不屈の精神で、ここから巻き返せるか――。
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