
場所前に休場を発表していた横綱・大の里(写真・JMPA)
いま、大相撲が空前の大ブームだという。現在は年6場所で開催されているが、場所をどこに移しても入場券は “プラチナチケット” となっている。
2023年初場所6日めから続く “満員御礼” は、2026年夏場所5日めでちょうど300日連続となった。ちなみに、歴代最長は666日で、1989年九州場所11日め~1997年夏場所初日まで続いた。このときは、“若貴ブーム” の最中での記録だった。
懸賞金もすごいことになっている。2026年夏場所の懸賞本数が場所前の5月9日に発表され、15日間の申し込み本数は、過去最多となる4241本となった。これまでの最多は2026年初場所の3469本で、ようするに増え続けているということだ。4000本突破は初めてのことで、新規は30社にのぼった。
「1本6万円の懸賞金は、当然ですが、横綱、大関の上位陣にかけられることが多い。そのため、若手力士が目の色を変えて挑むんです。それが熱戦につながり、ブームの火付けにもなっています。また、横綱や大関に勝って懸賞金を得ることで、給料より多くの “ボーナス” を得られる珍しい現象も起こっています。
海外からの観光客が数多く会場に詰めかけており、グローバル化を目指す角界にとって、喜ばしい状況が続いています」(スポーツ紙の相撲担当記者)
こうしたブームのなか、一方で角界は “大きな危機” に瀕しているという。
「それはケガ人の多さです。しかも上位に多い。場所前には、横綱・大の里と大関・安青錦が休場を発表。2日めには横綱・豊昇龍、12日めには大関・琴櫻まで休場に追い込まれました。結局、2横綱3大関のうち、大関・霧島以外が休場する異常事態ですね。
大関の安青錦と琴櫻にとって、次の場所は試練となります。安青錦は2場所連続で負け越しとなるため大関陥落。琴桜はカド番となるため、負け越しは許されない。本来の力ならば難しいことではありませんが、今場所の相撲を見る限り、不安は残ります。
これに加えて、小結・高安も4日めに休場したため、放送するNHK関係者は『取り組みが少なるぶん、時間が余ってしょうがない』と嘆いていました」(同)
では、なぜここまでケガ人が続出するのか。前出・相撲担当記者がこう指摘する。
「現在、幕内力士の平均身長は186.3cm、平均体重161.2kgと、年々大型化しています。その力士が真正面からぶつかり合うわけですから、ケガ人が多く出るのは当たり前のことでもあります。
ただ、ある親方に言わせると、稽古不足は否めないと。しかも、投げられたときに転がる稽古も不足しているというんです。これをきっちり練習していれば、ケガ防止につながるはずなのですが……。
ほかにも、年6場所の過密日程に加え、合間には地方巡業もある。力士にとって休息する時間があまりにも少ないというわけです。ちなみに、移動はぎゅうぎゅう詰めのバスですから、巡業と移動による二重苦とさえ言われています」
さらに大きな要因が、公傷制度の撤廃だ。
「本場所の取組で負傷した横綱以外の力士に対し、休場による番付降下を免除・軽減する救済措置でしたが、2003年に廃止されました。たいしたケガでもないのに休むという、制度の悪用や休場者の乱発を招いたためです。
でも、制度廃止のため、重傷でも出続けることで、さらに大きなケガにつながり、休場が何場所も続いた力士がいることも事実です。力士の体を考えるなら、巡業の数から公傷制度まで、いろいろな議論があってしかるべきだと思います」(同)
2024年7月には、日本相撲協会の諮問機関「横綱審議委員会」で公傷制度の復活が議論されてもいる。ブームのときだからこそ、改革に目を向ける必要もあるはずだ。
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