
大坂なおみ
彼女にとってコート上を歩くことは、ファッションショーのランウェイと同じことなのかもしれない。テニスの4大大会の一つ、全仏オープンに出場している大坂なおみのことである。
全仏オープン3日めの5月26日、コート上に姿をあらわした大坂に集まった観客は、度肝を抜かれた。試合に臨むウェアとはかけ離れた、真っ黒なロングドレスだったからだ。しかも、ベンチでジャケットを脱ぐと、あらわれたのは凝視すれば目をつむりたくなるような“金ぴか”のウェアだった。
「じつは大坂は、大会前に『ウェアでは今大会もサプライズを用意しています』と語っていただけに、それを期待したファンが会場に多く詰めかけていたんです。期待どおりというより、それ以上のウェアだったと思います。どよめきが起きましたから。試合開始前、ネットを挟んで両選手がフォトセッションをおこなうんですが、対戦相手で世界ランク47位のラウラ・シグムント(ドイツ)の引きつった笑顔が印象的でした(笑)」(テニスライター)
こうした“ド派手ウェア”はいまに始まったことではない。2026年1月におこなわれた全豪オープンでも大きな話題を提供していたのだ。帽子についた白く長いレースは、コート上を妖しく揺れながら漂う。手には白の傘、足元のブリーツも歩くたびに揺れる。「まるでセーラームーンのよう」といった声もあったが、本人は“クラゲ”をイメージしてデザインしたのだという。
今回の金ぴかウェアに関しても、試合後の会見で次のようなコメントを残している。
「初めて実物の衣装を見たとき、まるで夜のエッフェル塔みたいに明るくキラキラして見えました。ただ、太陽の光が衣装に当たるとすごく反射するので、審判に退場させられるのではと少し不安でした(笑)。そのため、予備に普通の(契約する)ナイキの衣装を2つ用意していました。ナイキに感謝しています。でも、着なくて済んでよかったです(笑)」
前出のテニスライターが続ける。
「派手な登場の仕方に賛否両論があるのは事実です。『プロなんだから、お客さんを楽しませる意味でもいい』と肯定的な意見があれば、『対戦相手への敬意が足りない』など逆もあります。しかし、最近の大坂はプレー以外、楽しむことに目を向ける余裕も生まれてきたと思います。だからこそ、いろいろな話題を提供できているのでしょう。
それは世界ランクの上昇と関係があると思います。2019年には、世界ランクが日本プレーヤーとして初めて1位となりましたが、その後はたびかさなる怪我や出産から、56位まで下がりました。でも、現在は16位まで上ってきているのです。自分が考えている最良のプレーが、徐々にではありますができるようになってきたと感じているのではないでしょうか。さらにプレーが向上すれば、2021年全豪オープン以来の4大大会制覇も見えてきます。そうすれば、いくら派手な登場をしても、反対の意見も出にくくなるでしょう」
ちなみに、全仏オープンに次ぐ4大大会のウインブルドンは6月開催予定。伝統と格式を重んじることでも有名で、ウェアは白以外、認められていない。大坂のド派手衣装は、全仏オープンが終わるとしばらく見ることはできない。
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







