羽月隆太郎元選手(手前)と、新井貴浩監督(写真・共同通信)
広島県警は6月1日、“ゾンビたばこ”と呼ばれる指定薬物エトミデートを、広島カープの羽月隆太郎元選手に譲り渡したとして、東京・千代田区在住の滝口涼介容疑者を医薬品医療機器法違反(指定薬物の授与)の疑いで再逮捕した。
「滝口容疑者が容疑を認めていること、羽月元選手が拘禁刑1年、執行猶予3年(求刑拘禁刑1年)の刑が確定したことで、一連の“ゾンビたばこ”事件は、ここから新たな局面を迎えそうです。
羽月元選手は公判の場で『周囲にも同じ薬物を使用していた選手がいた』と証言しました。5月28日にはTikTokで生配信し、『私を含め6選手が同じ人物から(ゾンビたばこを)購入していました』とも明かしています。
これに対し、広島の鈴木清明球団本部長は『こちらは調査しているし、警察の捜査にも対応しています。(羽月元選手の)ネット配信に対し、一つ一つこちらが反応することはありません』と語り、羽月元選手の発言へ対応する気はないとの姿勢を示していました。
これまで球団は全選手への聞き取りや、寮に住んでいる一部の選手に対し尿検査をおこない、陽性反応のあった選手はいなかったことから強気に出ているのでしょう。
ただ、滝口容疑者が逮捕されたことで、羽月元選手の証言内容を無視できなくなってきています。滝口容疑者の押収された携帯電話から通信履歴の解析もおこなわれるはず。何よりも怖いのは彼の口から選手名が出てしまうことです。そうなれば球団の対応はまた変わってきますし、事実か否かはさておいても、新たな疑惑が飛び出してしまうことは避けられなさそうです」(一般紙社会部記者)
しかし、「広島カープが恐れていることは、それだけではありません」とスポーツ紙の広島担当記者は語る。
「まず挙げられるのが、監督問題です。新井貴浩監督は就任初年度の2023年こそ2位の成績を残しましたが、あとはすべてBクラス。今季も6月3日現在、5位と低迷しています。カープファンとしては、交流戦で巻き返してほしいと思っていましたが、パ・リーグ相手に1勝6敗で復調の兆しすら見えません。
球団と新井監督の契約は単年と見られていますが、実質は5年契約。今年が最後の年なんです。もし、今年もこれまでどおりBクラスならば、契約更新はあり得ません。ただ、新井監督自身はファンから愛されていますし、選手からの信頼も厚い。その監督が去ることになると、球団としても苦しいところでしょう」
さらに「FA権のこともある」と続ける。
「今季順調に出場試合数をこなしていけば、床田寛樹、森下暢仁の左右のエースに加え、中継ぎの主力である島内颯太郎、さらには扇の要である坂倉将吾捕手もFA権を取得します。広島は、他球団に比べると年俸に関しては“締まり屋”と有名ですし、これまでも主力の多くが他球団に移籍しています。
今回の“ゾンビたばこ”問題や、選手から慕われている新井監督が解任ともなれば、床田らFA権を持つ選手が皆、チームを出ていってしまうかもしれません。そうなれば“チーム解体”の危機となってしまいます」
チームは多難の時期を迎えたようだ。
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