
大坂なおみ
テニスの四大大会、いわゆるグランドスラムといえば、1月中旬ごろに始まる全豪オープンを皮切りに、全仏オープン、ウィンブルドン(全英)、全米オープンの順で開催されていく。そのなかで、伝統も格式も別格といわれるのがウィンブルドンだ。何しろ1877年7月に始まった世界最古のテニストーナメント。それゆえに、ほかの大会にはない同大会のみのルールも多数存在している。
そのなかの一つがウェアに関してだ。選手が試合で着用していいウェアは、白色のみとなっている。さらにソックスからリストバンドに至るまで着用するものはすべて白という決まりがある。
「かつて“王者”ロジャー・フェデラー(スイス)が白のシューズで試合に臨んだんですが、靴底がオレンジ色だったんです。それでシューズの変更を求められたほど。また、女子選手がスコートの下にはくインナーパンツも白限定だったんですが、選手側から生理等の問題を指摘され、現在は濃い色のインナーパンツをはくことが許されるようになりました。そうした厳しいルールがあるだけに、ウィンブルドンでは大坂なおみも“大人しく”していると思ったんですが(笑)」(テニスライター)
だが、ファッションアイコンとしても知られる大坂は、ファンを裏切らなかった。「白しかダメなら白で攻めるしかない」とばかりに、ウィンブルドンでは試合のたび、コートには純白の着物風ドレスで登場しているのだ。6月29日に始まった今年もそうだった。
「大坂が着用していた衣装は、クエンティン・タランティーノ監督の映画『キル・ビル』で女優のルーシー・リューが演じた暗殺者であるオーレン・イシイをヒントに制作されたようです。また、衣装を手掛けたのは東京を拠点として活動する日本人デザイナーの八木華氏で、衣装のタイトルは『Evolving Ceremony(進化するセレモニー)』とのことです」(前出のライター)
大坂もこの“着物風ドレス”をえらく気に入っているようで、29日のウィンブルドン1回戦でエルサ・ジャクモ(フランス)に6-1、7-5のセットカウント2-0で完勝したあとには、次のように語っている。
「私にとって、日本のルーツはとても大切なものです。ウィンブルドンのドレスコード『オールホワイト(全員白)』なので、着物で入場したらすごくクールではないかと考えました」
1月の全豪オープンではクラゲをモチーフにした衣装で登場すると、多くの選手から「かっこいい」、「すごい」と賞賛の声が届けられた。続く全仏オープンでは、輝くラメが散りばめられた黒のロングドレスで登場。それを脱ぐと、茶をベースにしたウェアには金の複雑なラインが入っており、観客から「まるで夜のエッフェル塔みたい」と、これまた好評だった。まさに“大坂ファッションショー”だ。
「大坂は度重なる怪我や出産もあり、一時期は世界ランクを落としたものの、現在は14位まで上がってきました。体も絞られてよく動けているし、強打も復活しています。プレー以外の衣装に気を遣うことができることが自体が、復活の証でしょう」(スポーツ紙記者)
大坂は続く2回戦も完勝し、2年連続4度めの3回戦進出。次戦7月3日の相手はダリア・カサトキナ(ロシア)に決定した。過去の対戦成績は、大坂の3戦全勝となっている。
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