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新体操「秋山エリカ」リボンを足で投げる技、私が考案しました
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.06.05 11:00 最終更新日:2018.06.05 11:00
「高校最後の大会では、投げたフープ(輪)が観客席に飛び込む大失敗。当時はミスばかりするのであだ名が『ミス秋山』。新体操は大嫌いでしたね」と豪快に笑う。
秋山エリカ(53)は「一生に一度でいいからノーミスの演技をしたいと思って」新体操の名門、東京女子体育大学へ。
「リボンが絡まるような選手は私だけでした(笑)。素晴らしい指導者に、基本から教えていただきました」
クラシックバレエの素養を生かして頭角を現わし、19歳でロサンゼルス五輪に出場。
「でも世界の舞台で戦うようになると、思うようにいかずスランプに。そんなとき、大学3年で出たスペインの世界選手権で、あるブラジル人選手の演技を見たんです」
当時、ブラジルの新体操選手は教会の片隅で、手具も満足にないなか、一人で練習していた。
「ところが彼女は、新体操ができるのが嬉しくてたまらないような、満面の笑みで演技をしたんです。げんこつで頭を殴られたみたいなショックを受けました。点数じゃなく、自分の持っている力を全部出すのが、いい演技なのだと彼女に教えられました」
それからは日本らしさを表現したオリジナリティのある演技を追求。
「リボンを足で投げるとか、私が最初に考案した技がたくさんあるんですよ」
現在は母校で教鞭をとり、新体操の指導をおこなう。全日本学生新体操選手権では団体65連勝。五輪選手も輩出している。
「あのブラジルの選手が、私の指導の原点。選手の夢をかなえるお手伝いをしていきたい」
あきやまえりか
1964年12月31日生まれ ロサンゼルス、ソウル五輪に出場、1984年から全日本選手権6連覇。現在、東京女子体育大学教授。家族は13歳年下の夫と1男1女
(週刊FLASH 2018年5月8・15日合併号)