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五輪史上初の体操満点「コマネチ」はいまも「白い妖精」だった

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.06.09 16:00 最終更新日:2018.06.09 16:21

五輪史上初の体操満点「コマネチ」はいまも「白い妖精」だった

 

 1976年7月18日夜。モントリオール五輪の体操競技で、14歳8カ月の少女が常識を覆した。「白い妖精」と呼ばれたルーマニアのナディア・コマネチは、五輪史上初の10点満点の電光掲示板を、最初見向きもしなかった。

 

「私ね、現役時代はいつも、演技の後に電光掲示板を見なかったの。あのときも『いい演技ができたな』とは思ったけど、すぐに頭の中は次の大会のことでいっぱいになってた。

 

 そうしたら、なんだかアリーナがざわついて、それで私も電光掲示板に目を向けたのよ」

 

 10点満点が出たときの準備がなく、掲示板に「1.00」と出たのは、有名なエピソードだ。

 

「チームメートが『おかしい』と言ってた。しばらくして、自分の本当の得点を知らされたの。最初は何が起こったのか、よくわからなかった」

 

 金メダルの会見では「特別なことじゃない」「祝賀会もない」とクールに発言し、また話題になった。

 

「そんなこと言ったかしら(笑)。でも、ほかの選手だってものすごい練習を重ねていただろうから、そんなに大騒ぎしたくなかったんじゃないかしら」

 

 1996年に米国の元体操金メダリスト、バート・コナー氏(60)と結婚。56歳になった彼女はオクラホマ州に住む。

 

「体操を中心に、子供たちのスポーツ団体を作って活動しているの。息子は11歳。ときどき体操をしているけど、サッカーやアイスホッケーのほうが好きみたい(笑)。私も毎日ジムで、40分は走ってる。健康第一だからね」

 

ナディア・コマネチ
1961年11月12日生まれ 1976年モントリオール五輪で3個、1980年モスクワ五輪で2個の金メダルを獲得。1981年に引退。1989年、アメリカに亡命した

 

(週刊FLASH 2018年5月8・15日合併号)

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