
大谷翔平(写真・桑原 靖)
8月11日(日本時間12日)、カンサスシティ・ロイヤルズ戦前の練習でのことだった。ロサンゼルス・ドジャースのキケ・ヘルナンデスが、限定販売の「ロサンゼルスエースTシャツ」を着て現れた。
色はドジャーブルーの青で、フロントの部分にはトランプの「A(エース)」のデザインが施されている。中央にはド軍が誇るローテーションピッチャーの大谷翔平、山本由伸、ブレイク・スネル、タイラーグラスノー、そしてトレードでデトロイト・タイガースから加入したタリク・スクーバルの上半身が印刷されている。
ただし、キケが着ていたTシャツには少々、手が加えられていた。5人が印刷された下の部分には、白のテープのようなもので文字が貼られており、「WROBLESKI(ロブレスキー)」の文字があった。
「キケがこのTシャツを着てきたときは7連敗がようやく止まったころで、決してチーム内の雰囲気がいいとは言えない時期でした。そこにスクーバルが加わったこともあり、チームとしては気分一新の意味で『ロサンゼルスエースTシャツ』を配ったのでしょう。
でも、キケはこのTシャツが気に入らなかったようです。なぜなら5人のエースのなかにロブレスキーが入っていなかったからです。彼は、スネルやグラスノーが怪我で不在の前半戦、素晴らしいピッチングをしていたのです。先発ローテーションをしっかりと守り、10勝して防御率も2.69と抜群の安定感でした。その活躍はスネルらの離脱を忘れさせるほどでした。オールスターにも代替選手ながら選出されているんです。
そこまでの活躍を見せながら『なぜ彼が載っていないんだ!』ということを言いたいがために、キケは白のテープで名前を張ったのでしょう」(現地記者)
じつはキケの意見に賛同する選手は多く、このTシャツの評判は芳しくなったようだ。なかには、「首脳陣は何を考えているんだ」と怒り露わにした選手もいたようだ。そうした悪い雰囲気をキケの粋な計らいが吹き飛ばしてくれた。
「彼は気配りの男であり、ド軍では“オシャレ番長”と呼ばれています。2025年に日本の東京ドームで開幕戦を迎えた際には、練習で名前と背番号8が入ったサッカー日本代表ユニホームを着て練習していたんです。あの姿が忘れられません。あらためて、ムードメーカーとしての彼の存在がクローズアップされています」(同前)
険悪なムードが一時漂っていたドジャースの空気を、ムードメーカーが一蹴したようだ。
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