
10月1日、戦力外通告を受けて会見を開いた小園海斗(写真・共同通信)
10月1日、まだシーズンが終わっていないなか、プロ野球の広島カープは、指定薬物「エトミデート」(通称「ゾンビたばこ」)とのかかわりを疑われていた小園海斗内野手、矢野雅哉内野手、前川誠太内野手、田村俊介外野手に、来季の契約を結ばない戦力外通告をおこなったと発表した。
「この時期での発表は異例です。まだセ・リーグの優勝も決まっておらず、広島の順位すら確定していません。それでもあえて発表したのは、これまでの広島の対応が後手後手を踏んでいたからでしょう。週刊誌を中心にゾンビたばこと選手の疑惑が次々と報道され、売人とされる人物と一緒に写った写真が公開されても、鈴木清明球団本部長は『コメントすることはない』と無視を決め込んでいました。ゾンビたばこを吸っている、決定的な写真ではないという目算があったのかもしれません。
ところが、ファンが黙っていませんでした。取るのが困難だったマツダスタジアムでの試合チケットですが、売れ残りが進み、空席が目立つようになったのです。これではグレーのまま逃げ切ることはできないと判断し、今回の発表にもつながったのだと思われます。
この辺りが、巨人の対応と違うところ。阿部慎之助前監督が家族への暴力容疑で逮捕となったとき、翌日には辞任を発表しました。対応の早さが段違いです」(スポーツ紙広島担当記者)
では、契約を解除された4選手の今後はどうなるのか。とくに昨季の首位打者で、2026年のWBC日本代表だった小園は、将来を嘱望されていただけに気になるところだが……。
「噂レベルでは、いろいろな球団の名が挙がっています。戦力は充実していますが、ショートを固定できていない阪神。また、井上一樹監督が辞任した中日では、もし後任監督に井端弘和氏が就任したら、動くかもしれないと言われています。井端氏は小園を買っていて、侍ジャパンに抜擢した人ですからね。
また、こういう問題があると必ず名が出てくるのが巨人。中田翔が日ハムで問題を起こしたとき、すぐに獲得したくらいですから」(同前)
ただし「巨人が中田を獲得したときとは、次元の違う話です」とスポーツ紙デスクは語る。
「中田のケースは球界内での騒動でしたが、今回の場合は、逮捕者が出た事件の流れを汲んだ問題ですから。小園は10月1日の会見でも、法令違反には『いっさい関与しておらず』と潔白を主張しましたが、疑問を持つファンはいまだに多いです。獲得に手を挙げる球団はないでしょう。もし獲得しようものなら、ファンやスポンサーが黙っていないはずです。
報道では、MLBへの挑戦といったこともいわれているようですが、薬物などに関しては、日本よりむしろMLBのほうが厳しい目で見られます。いくら潔白を主張したとしても、獲得する球団はないといえるでしょう」
では、4選手はこのまま引退ということになるのか。
「唯一、残されているとしたら、メキシカンリーグではないでしょうか。性的暴行疑惑を発端に、MLBを契約解除された元横浜DeNAのトレバー・バウアー投手は、現在もメキシコシティ・レッドデビルズに所属しています。また、若手選手たちへのパワーハラスメントで楽天を自由契約となった安樂智大投手も、同じチームでプレーしています。
メキシカンリーグは、過去に事件や問題を起こした選手に寛容な面もあり、プレーできているとみられています。逆にこのリーグから断られれば、プレーできるところはないでしょう」(同前)
今回、処分の対象となった4選手は、すべて20代中盤の選手。本来ならば、ここからが選手として充実した時間を過ごしていくはずだった。疑惑の代償は、あまりにも大きかったようだ。
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