
愛知県の大村秀章知事(写真・共同通信)
32年ぶりの日本での開催となった愛知名古屋アジア大会が、10月4日に閉幕した。大会中は、トラブルが相次いだ。スポーツ紙記者が言う。
「ホッケー男子の試合では、韓国の国歌を流すべきところで北朝鮮の国歌が流れ、近代五種男子団体では、韓国が優勝した際に場内アナウンスが誤って英語で『リパブリック・オブ・チャイナ(台湾)』と紹介するなどの事態が発生しました。また、選手を輸送するバスなどのトラブルも相次ぎ、トラブル続きの大会だったという印象が否めません」
大会組織委員長を務めた愛知県の大村秀章知事は10月6日、定例記者会見で大会を振り返ったが、そこで語られた、タイ代表のテックボールチームに関する発言が物議を醸している。
テックボールとは、サッカーと卓球を組み合わせたハンガリー発祥のスポーツ競技で、今大会では組織委員会が運営の実務や経費を負担しないことなどを条件に、2月に正式競技に追加されたという経緯がある。そのため、宿舎や食事などの運営は組織委ではなく、競技団体が担うことになった。
「大会開幕の直前、テックボールのタイ代表監督がSNSで、食事の量が少なすぎる、メニューが少なく野菜ばかり食べている、などと食事の内容を公開したところ、ネット上で拡散され、タイチームへの同情の声と大会組織委への批判の声が広がりました。しかし、この食事は組織委が提供したものではないことがわかっています」(同前)
会見で大村知事は、この食事についても言及した。
「食事については、大会の最初のほうに少しネット動画などで、ちょっといろいろと上げられましたけれども、たとえばあのテックボールの会場で、こんなご飯しか出ていないというようなことで、タイ選手団の監督、コーチがなんか上げられていましたけれども、それはまったく違うのでね。(中略)事実でないことをいっぱい。とくにテックボールのあれは、まあなんか、それで再生回数を稼ぎたいのかもしれませんけれども、こういうことをやるんだと、ちょっと驚きましたけれども」
よほど根に持っていたのか、会見の最終盤でもこの件に触れ、こう述べたのだった。
「先ほど言った、テックボールの会場のそばの、お昼のあれでこんな料理しかないと言われ、ちょっとひどいねと。いくらなんでもねと。そのタイの選手団の監督、コーチはね、この人たち、何しに来たんだろうなと。再生回数を稼ぎに来たの? というふうに、私はそのときに思いましたけれどね。まあ、それ以上言うたらあれかもしらんけど、ま、あんまりこういう人は来てほしくなかったなと思いましたけどね、そんときはね。まあ、ただ組織委員会の外の話なんで、もう我々は関知できないので、ということでありました」
この「来てほしくなかった」という発言が報道されると、X上では批判の声が相次いだ。
《普通に「食事は競技団体が担うというお話で、こちら側ではどうにもできなかったんです」と説明すればよかったのではないか。》
《急遽の追加競技とはいえホスト国の首長が海外の選手団にネガティブな発言するなんてありえないだろ。日本滞在を楽しみに来たけど期待はずれだったってことだし、選手とかスタッフに罪はないんだから、日本のおもてなしの心とかもう二度と言うなよ》
さらに、弁護士の紀藤正樹氏も自身のXで《こういう発言は組織のトップは思っても言うべきではないと思います。たとえ形式上は組織委の責任でないにしてもそういう意見があったことは伝えるとか、日本の顔である大会責任者としての言い方はあると思います》と苦言を呈している。
つい本音が出たのかもしれないが、大会組織委員長としての立場をわきまえるべきだったのではないだろうか。
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