
阪神の佐藤輝明
球団ではランディ・バース以来となる打撃三冠王に輝き、リーグ連覇に貢献して夢のMLBへの挑戦権を掴んだ男の取材会見はあまりにもあっけなかった。
「入団時から大切に育てていただいた。球団の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです」
10月21日、阪神・佐藤輝明内野手が兵庫県西宮市内で取材に応じ、今オフのポスティング制度によるメジャー移籍を球団から容認されたことの喜びを語った。容認発表から2日後、初めての公の場だったのだが、会見はわずか150秒ほどで“打ち切り”となったのだ。
現場ではちょっとしたいざこざが起こっていたようだ。現場に出席した記者が、異様な厳戒態勢の内幕を明かす。
「じつは会見では、報道陣の代表者がたった3問しか質問できないという極端な縛りが設けられていたのです。球界のホープのメジャー挑戦という大ニュースにもかかわらず、球団スタッフは『3問あれば記事を書けるでしょう』などと発言していました。実は代理人側から発言をなるべく少なくするように要請があり、球団は跳ね除けられなかったといいます。終わってみると、会見はたった150秒の簡素すぎるものとなりました。
もちろん、これには多くのメディア関係者が憤慨しました。会見を代表取材にしたことについては、球団は恥さらしになることを避けたいのか『できれば書いて欲しくない』と忠告してきました。ただ、球団が記事内容に口出ししたとなれば報道の自由をめぐる問題になる。そのため、『強制ではない』とも付け加えていました。
しかし、球団からそう言われると、取材側は萎縮せざるを得ない。一部では抗議の声も上がりました」
佐藤との契約は11月末まで残っているため、球団は今後も取材の場を設ける方針を語ったのだが……。しかし、閉鎖的な情報統制が続けば、ファンが心から背番号8を送り出す環境は整わないだろう。
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