
松井秀喜(写真・桑原靖)
巨人の21代目監督に松井秀喜氏が決まった。巨人ファンにとってみれば、まさに待望の人物で、2012年以来遠ざかっている日本一も、すでに達成されたかのようなお祭り騒ぎである。
しかし、スポーツ紙の巨人担当記者は「巨人の実情は大変苦しく、松井新監督の1年めは、このままでは大変苦労するのが目に見えている」との意見で一致しているという。なぜか。
「今季2位とはいえ、首位・阪神以外が勝手に崩れたといった印象で、それに乗じて巨人がたまたま2位になったということです。
現在、巨人は新旧交代の真っただ中で、確かに若手が育っていてはいます。しかし、投打ともに巨人を背負っていける中心選手がいません。頭角を現し始めた選手も来季、主役になれるかといえば、難しいのが現状です。坂本勇人内野手、丸佳浩外野手といったベテランはいますが、衰えは著しく、常時出場はできません。
となると、チームの底上げには選手の成長ではなく、他チームからのトレード、FA移籍に頼ることになるでしょう。じつは、巨人は監督が変わると、その年あるいは2年めにFAで選手を補強する傾向にあるのです。新監督への“ご祝儀”的な意味合いもあるでしょうが、今オフも久々に大型補強に動くことは間違いなさそうです」(スポーツ紙巨人担当記者)
1993年、長嶋茂雄氏が2度めの巨人監督に就任した。この年、Jリーグ創設の年でもあり、「野球界を救う監督就任」と言われたが、巨人での成績は3位と期待を裏切った。するとオフには、FAで三冠王3度の落合博満を獲得した。
2006年、原辰徳氏が2度めの監督就任を果たすも、1997年以来の4位とBクラスに沈んだ。すると覇権奪回のために、そのオフには小笠原道大内野手を獲得。彼は巨人FA史上、最高の補強とまで言われる活躍を見せた。
高橋由伸氏が監督に就任した際には、戦力ダウンも著しかったことを受け、横浜DeNAから山口俊、ソフトバンクから森福允彦、日本ハムから陽岱鋼とFA選手3人を獲得した。
直近では2024年の阿部慎之助氏のとき、球界屈指の甲斐拓也捕手を獲得している。
「過去にこうした流れがあるだけに、今オフにはFAによる大型補強は既定路線のようです。しかも例年に比べて大物が国内、海外のFA権を取得しています。
国内では、広島の床田寛樹投手や、森下暢仁投手といった左右のエースに、扇の要・坂倉将吾捕手。日本一の韋駄天、ソフトバンクの周東佑京外野手。海外FAでも日本ハムの有原航平投手、ソフトバンクの上沢直之投手と近藤健介外野手と、、超一流の選手が顔を揃えています。巨人としてはどの選手も欲しいところですが、ソフトバンクの選手には手を出しにくい。となれば広島の少なくとも2選手獲得に動くと言われています」(同前)
巨人が獲得の候補とする選手はこれだけには留まらないという。
「ボストン・レッドソックスの吉田正尚外野手です。彼は5年契約で1年残っているんですが、チームで微妙な立場にあります。2023年の1年めこそ140試合に出場し、打率.289、15本塁打、72打点と期待通りの活躍を見せました。でも、その後は怪我もあり、出場試合は限られたばかりか、守備に就けなくなった。レッドソックスの外野は実力者が揃っているうえに、彼の年俸が約27億円と高額。守れない選手にそれだけ出すのはいかがなものか、とチーム内で議論の対象となり、昨季からトレード要員とも言われていました。
年俸が高額のため、トレードはまとまりませんでしたが、来季に向けてレッドソックスは、年俸を一部負担する形で日本球界復帰を吟味する可能性があると、米国では報道されています。来季からセ・リーグもDH制を導入しますからポジション的にも問題はありません」(現地記者)
もし実現すれば巨人の新たな看板選手となるだけでなく、松井新監督にとってはこれ以上ない“ご祝儀”補強になるはずだ。
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