
井上尚弥(写真・田中昭男)
ファン垂涎の一戦が実現に向け、大きく動き出した。
プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥と、1階級下のWBA世界バンタム級スーパー王者ジェシー・“バム”・ロドリゲスとの一戦について、井上が所属する大橋ジム・大橋秀行会長が注目の発言をおこなった。
10月28日、都内で取材に応じた大橋会長は「(井上の試合交渉は)一歩ずつ進んでいます。一歩ずつ。うまくいってますよ。来年3月開催に向けて進んでいます。本当に着実に進んでいますので、楽しみにしてもらえたら」と語ったのだ。
10年以上にわたって軽量級をリードしてきた井上の戦績は33戦全勝27KO。一方の進捗著しい“バム”は24戦全勝17KOと、どちらも負け知らず。否が応でも“外野”は盛り上がっていく。
じつは両者の一戦は、もともと2027年2~3月ごろに予定されていた。ところが……。
「“バム”は、井上戦の前にWBO世界バンタム級王者クリスチャン・メディナ(メキシコ)との王座統一戦を挟みたかったわけです。というのも“バム”は、井上の1階級下のバンタム級で、まだ1試合しかこなしていないのです。肉体的にはスーパーフライからようやくバンタムに上げたばかり。実質、井上とまだ2階級の差があると言っても過言ではありません。だからこそバンタム級の試合を挟み、それから井上に挑戦したかったのでしょう。トレーナー兼マネジャーのロバート・ガルシア氏も、海外メディアのインタビューで井上戦は『2027年4月か5月』と発言したほどですから」(ボクシングライター)
こうした“バム”のはっきりしない態度に、井上は怒りさえにじませた。自身のXで《バムをダラダラ待つ気はないからフェザー級に行く準備も始めるよ》と心境を吐露しているのだ。
「井上には、1日も早く対戦したい理由がある」と前出のライターが続ける。
「無双の状態を続ける井上ですが、彼もすでに33歳。自ら『引退は35歳、フェザー級世界王者で』と語っているように、時間はありそうでないのです。井上としては一戦も無駄にしたくない。だから『待つ気はない』の発言につながったのでしょう」
こうした背景があったからこそ、注目の一戦は流れると見られていたのだ。そこへ大橋会長の宣言である。
「ボクシング界でもっとも権威がある米専門誌『ザ・リング』も『2027年3月の東京開催に向けて両陣営が契約締結へと動いている』と報じていますからね。実現はほぼ間違いないでしょう。
ではどちらが有利か。多くの評論家が言うのは、スピードの“バム”、パワーの井上ということ。身長は井上が164cm、“バム”が163cmとほぼ一緒ですが、階級が軽い分、最初は“バム”のスピードに井上も戸惑うのではないか、ということなんです。
ただ、最後はパワーで井上が押し切ってKO勝利を収める、という予想が圧倒的です」(専門誌記者)
全階級を通じての最強ランキングを決めるパウンド・フォー・パウンド(PFP)では井上が1位、“バム”が4位。世界中から注目されることは間違いない。
それはファイトマネーに関しても同様だ。井上は中谷潤人との対戦で30億円のファイトマネーを受け取ったとされているが、今回は「それ以上」との憶測を呼んでいる。
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