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W杯日本代表「逃げ切り8分」も過去には「逃げ切り83分」が
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.07.02 18:00 最終更新日:2018.07.02 18:00
「皆さん日本代表vs.ポーランド何をどう感じましたか?言いたい事は沢山あります…が。でも、もう終わった事。決勝トーナメント進出を果たしてくれた我らが日本代表、素直に『おめでとう』」
負けていても、“逃げ切り” を選択したポーランド戦のラスト8分。西野朗監督(63)の采配には、非難が多く寄せられた。芸能界一のサッカー通の小柳ルミ子(66)も、複雑な心境を自身のブログで吐露している。
それもそのはずだ。戦前、「他会場の結果等を気にするな。得失点差、イエローの数、そんな事気にせず勝ち点3を獲りに行くのだ」と綴っていたが、皮肉にもそのイエローの数によって日本は決勝T進出を果たしたのだから。
しかし、消極的ともいえる戦い方は、じつは立派な戦術でもある。1982年スペインW杯で、同様の事件が起きた。
一次リーグ、オーストリアが2勝、西ドイツ、アルジェリアが1勝1敗、チリが2敗という展開だった。第3戦、まず1試合めにアルジェリアがチリに3-2で勝利。この結果、翌日の試合でオーストリアは負けても2点差以内、西ドイツは勝てば二次リーグに進出することができた。
この時代、第3戦が同日同時刻に始まるシステムではなかったのだ。それをいいことに、前半7分に西ドイツが先制すると、両チームはその後、ともに攻める意思を見せず、そのままタイムアップ。
両チームは二次リーグに進んだが、日本の残り8分どころか、10倍以上の83分間、観客は緊張感のない試合を見せられつづけたのである。
ただ今回、小柳が見たかったのは、最後までファイティングポーズを取りつづける日本代表の姿だった。
「約10分にも及ぶボール回しの時、日本サポーターからもポーランドサポーターからも大ブーイングで、私は泣きそうだった。闘わずして逃げ切ろう…という策に出たのかと。サポーターが観たいのは…サッカーの魅力は…感動は…そうじゃないだろう? 必死に闘う姿じゃないのかなぁ」
ボルテージが上がってきたところで、決勝Tへ進出した日本代表に熱い檄を飛ばした。
「腰の引けた闘いではコテンパンにやられる。当たって、当たって、当たって砕けろ。いや……当たって砕け! 真っ向勝負を観せてくれ!!」
(週刊FLASH 2018年7月17日号)