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野村克也「四国に球団がないのは不自然だと思う」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.08.12 20:00 最終更新日:2018.08.12 20:00
名将・野村克也氏(83)は、巨人の現状を「甘え以外の何物でもない」 と一喝する。
2012年以来の日本一奪回のため、2018年も投打ともに他球団の主力を補強したが、話題はグラウンド外の “愚行” ばかり。つい先日もその責任を取り、オーナーが辞任した。さあ「ボヤキ節」がスタートだ。
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■不祥事ばかりの巨人
「歴史も伝統もある巨人が球界のリーダーであるのはいい。でも、それならば模範になるチームであってほしい。 ところが不祥事が多い。その責任はどこにある? 当事者はもちろんで、トップであるオーナーがやめることも仕方がない。
だが、それだけで片づけていいのか。俺は選手を獲ってきたスカウトや編成部にも責任はあると思う。獲る際に交友関係や性格などをしっかりとチェックすべき。問題を起こす選手は、過去に前兆がある。阪神の監督時代、俺は特に厳しく調べさせたよ」
■「実力のパ」は当分続くのか
この10年、日本シリーズの覇権は8度、パ・リーグが制している。「実力のパ」は当分の間続くのだろうか。
「日本シリーズ、交流戦などを見てもパ・リーグ優位は続くだろうね。また、西武が好調だけど、辻発彦監督の存在も大きい。彼は広岡達朗さん、森祇晶、そして手前味噌になるけど、俺の影響を受けているからな。いい野球を教わっていると思う。彼なら一日3試合の考えをもとに、采配できると期待しているよ」
■噂される16球団化
ここにきて、球界では16球団化が噂されるなど、新たな局面を迎えようとしている。
「俺が南海で現役のころは東京、関西に4球団ずつと偏っていた。それでオーナーに、徳島にホームを置いてはどうかと進言したんだ。ここには南海のフェリーが通っていた。
だが、結局は却下。でも 現在、日本ハムが北海道、楽天が東北に行って本当によかっただろ?
いまでもそうだけど、四国に球団がないのは不自然だと思う。あれだけ高校野球が盛んで、まさに『野球県』だから。四国を含めて2チームくらい増やしてもいいと思う。それくらいしか日本球界には話題がないからな(苦笑)。
大谷翔平がエンゼルス入りしたとき、ファンの目がすべて彼にいってしまった。大谷の活躍は嬉しいけど、寂しさもある。
もう一度、ファンを取り戻すために、球団を増やすこと、見本になる本物の野球とはどんなものなのかを真剣に考えてもらいたい。それが提言? いやいや、野球を見すぎた俺の遺言だよ(笑)」
(週刊FLASH 2018年8月21・28日合併号)