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塚原千恵子71歳のボヤキ「私だって選手を引き抜かれてる」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.09.14 06:00 最終更新日:2018.09.14 06:00
「私たちのことを応援してくださる方はたくさんいます。でも、早く沈静化しないといけないと思っているから、あえて発言するのはやめてほしいとお願いしました。
ただ、あまりにも一方的な言い方をされているので、そろそろ私も表に出て真実を語らなければいけないと思いました」
そう話すのは、日本体操協会の塚原千恵子強化本部長(71)。宮川紗江選手(19)の告発に端を発した報道が、連日過熱している。そんななか、千恵子氏は本誌の取材に重い口を開いた。
まず、宮川選手と速見佑斗元コーチ(34)が訴えた、朝日生命体操クラブへの引き抜き問題。本誌も、体操関係者から「塚原夫妻が優秀な選手を引き抜くことでクラブを強化してきた」との証言を得ていた。
「報道でも、引き抜き、引き抜きといわれていますが、私が選手に『あなた、うちのクラブに来ませんか?』と言ったことはありません。
宮川選手についても、2020(東京五輪特別強化選手)になると、さまざまなサポートを受けられるため、ほかの選手のコーチが速見コーチに、『2020においでよ』と声をかけたのに、いつのまにか朝日生命においでよになってしまった。
引き抜きなら、逆に私のほうがされたんです。うちのクラブで一生懸命育てても、大学が選手にお金を渡したり、学費をタダにしたり、私たちの知らないところで “特待生” として勧誘するんです。
大学のほうが、よっぽどえげつない引き抜きをしていますよ。悲しい思いをしたことは何度もあります。私から選手を勧誘したことはいっさいありません」
自分が引き抜きをしたと騒がれているが、じつは自分自身が引き抜きの被害に遭っていたと主張する千恵子氏。自身の引き抜き行為は、断固として認めなかった。
もうひとつ問題となっているのが、パワハラ問題である。“体操界の女帝”と報道され、今回の騒動も、宮川選手が「千恵子氏にパワハラを受けた」と会見で訴えたことで大問題となった。「千恵子氏の権力が怖くて何も言えない」という体操関係者の声を、本誌も確認している。
「私の権威が怖い、話もできないほど怖いっていう、一方的な報道がいっぱいあるんですよ。皆さん、『私と話すのが怖い』と言うんです。でも、私のところにはいっぱい選手やコーチが相談に来てますよ。速見コーチの暴力問題についても、ほかの選手のコーチから相談されました。
相談できるってことは、話せるってことですよね。なんで、女帝と呼ばれるのか意味がわからない。威圧的に話していると報道されていますが、今の私の話し方を聞いてそう感じますか?」
協会内では絶大な権力を持つといわれることには、どう答えるのか。
「私が三十数年、体操協会を牛耳っているといいますけど、私と主人は12年間、協会から離れていました。主人と私でなんでも決められるなんて、そんな甘いもんじゃない。2020で予算があるから、新しいことを始めようとしたら、すごく細かいことまで突っ込まれ、常任理事会で厳しく審査されて怒られます。
今回、体操協会という組織そのものが、私と主人で簡単に物事を決めている組織だとされてしまったことは、大変残念に思います」
取材中、千恵子氏が何度も口にしたのが、「世界選手権のため」。10月25日から開催される世界選手権の団体総合で3位までに入ると、東京五輪の出場枠を得られる。
「今年の世界選手権で勝負しようと思っていたので、今回の騒動は非常に残念。夏前から、ライバルのロシアと中国の選手のデータを集めて調べていたんです。とにかく今回の騒動を早く収束させたかったのは、宮川選手も含め、選手への影響を考えたから。
今回のことが毎日報道されて、ナショナルトレーニングセンターの前には、50人近い報道陣が詰めかける。そんな環境で、練習に集中できると思いますか? 私の体操人生の集大成にしたかったのに」
(週刊FLASH 2018年9月25日号)