新日本プロレスの勢いが止まらない。低迷期といわれた10年前からV字回復を果たし、2018年は同社最高売り上げを20年ぶりに更新する見込みだ。
会場には “プ女子” と呼ばれる女性ファンも詰めかけ、チケットは入手困難。リングでは新たなプロレスムーブメントが起きている。その熱狂の要因とは?
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50歳となったいまも、新日本のみならず、さまざまな団体のトップ戦線で闘い続ける鈴木みのる。2011年に本格的に新日本に参戦し、ヒール軍団「鈴木軍」を結成した彼は、当時こんなふうに見ていた。
「試合はおもしろい、選手は粒が揃ってきてる。そうこうしてるうちに親会社(ブシロード)も新たに出てきた。大量に資金投入して宣伝活動もやってくれる。
さあ、あと何が足りない? 俺はすぐわかったね。20代のスターだよ」
そんなときに現われたのが、2012年に海外武者修行から帰国し、2012年2月に史上2番めの若さ(当時24)でIWGPヘビー級王座を奪取したオカダ・カズチカだ。
「いまの新日本はオカダの出現がすべて。世の中は、20代のスターが出てきたところしか動かせない。これは過去が証明している。
俺らがパンクラスをつくったのが25歳、UWFも20代、初代タイガーも20代、闘魂三銃士も20代、みんな20代のスターなんだよ」
鈴木にとって、新日本のリングに上がる魅力とは何か。
「レベルの高い選手が多い。たとえば、他団体でタイトルマッチを争う、この闘いが団体の最高峰だっていう選手が2人いるとする。これ、新日本に10人以上います、っていうレベルです。
あと俺にとってみたらお客さんがいっぱい入るんで、いい稼ぎ場だよね(笑)。それがいちばんです」
最後に第一線で活躍し続けるための秘訣を聞いた。
「守らずに攻めるってことかな。俺の同年代はみんな元気ないし、男としての生存競争から、みんな脱落してる。勝手に脱落すればいい。いまもこれからも負けないよ、俺は」
すずきみのる
1968年6月17日生まれ 神奈川県出身 178センチ102キロ 横浜高校ではレスリング部に所属し、1988年に新日本でデビュー。1993年に船木誠勝らとパンクラスを立ち上げた。2006年度プロレス大賞MVPを受賞。現在は原宿に自身がデザインしているアパレルショップ「パイルドライバー」も経営
(週刊FLASH 2018年10月2日号)