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カープ選手たちを鋼の肉体に変えた「筋トレ道場」を発見!
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.10.28 16:00 最終更新日:2018.10.28 16:00
2017年度セ・リーグMVPの丸佳浩(29)と、2016年度同MVPの新井貴浩(41)。同じチームに所属する12歳差の2人が、鍛錬し、語らうジムがある。広島カープに受け継がれている「肉体改造」という強さの伝統に迫った。
今シーズンの広島は、球団史上初となるリーグ3連覇を果たした。球界の歴史でも、2リーグ制以降の3連覇以上は13例目の快挙。広島といえば、古くから猛練習で有名である。あまりのスパルタぶりに、新人選手は怖気づいたものだった。
1990年代には、グラウンドだけではなく、ウエイトトレーニングも充実を極めていく。きっかけを作ったのは前広島監督の野村謙二郎(52)であり、阪神監督の金本知憲(50)だった。
「広島での金本は練習の虫だったが、線が細かった。そこで筋トレを取り入れ、鋼の肉体を得た」(担当記者)
その系譜は、のちの新井、丸、そして鈴木誠也(24)へと脈々と受け継がれている。その鍛錬の現場であり、広島の主力選手の多くが出入りするのが、スポーツジム「トレーニングクラブ・アスリート」。代表の平岡洋二氏が語った。
「新井は、金本の影響が大きかったと思う。『試合が終わった後、バットを振ってから帰れ』とか、金本が具体的な指示を出していた。オフでウチに来ても『カネさん、今日来ました?』とかいつも気にしていた。
初めはやらされていると感じていたのか、新井の迷言で『やらされる練習も身につく』というのがあるからね(笑)。そんな彼も、金本がFAで出ていったころから変わりだした。自分からやるという姿勢に。
『いまからやらせてほしい』と、夜の10時くらいに来て、夜中までつき合わされたことも。若いころには考えられなかったよ。今季で引退したら『もうトレーニングはしない』って(笑)」(平岡氏、以下同)
優勝を決めた9月26日のヤクルト戦で、先制&決勝打を放った丸は、新井と比べると「何事にもストイックで、自分から動くタイプ」だったという。
「一年めから来ていたけど、いろんな人に『絶対覚えておけ。必ず出てくるから』と言いまくった。別格ぐらいに筋力が強かったから。
ただ、コンディションに対する意識がなかった。オフのトレーニングで体重を増やしても、シーズンで元の体重より減ってしまう。それからサプリメントの摂り方も研究するようになって、シーズン中も体重を維持できるようになった。
セーフティスクワットのMAXは340キロ。毎年10キロぐらいずつ重くしていって、ここまでできるようになった。いまはチームでいちばん強い。
昨年、MVPを獲ったけど、以前から期待していたのは本塁打。筋力の強さは別格で、遠くに飛ばす力も十分。今年の成績は体力的、筋力的なものから見ると、当然の結果だと思う」
また、鈴木も筋力的に驚かされた選手の一人だという。
「トレーニング反応がいい。たとえば、今日50キロでヒーヒー言ってたのが、翌週には60キロができるようになり、さらに翌週は70キロができるイメージ。やらせればやらせるほど反応がよくなる。“神ってる”とブレイクした一昨年は、シーズン中に体重が増えていた。それは身心のコンディションがいいということ」
「アスリート」では主力だけでなく、次世代の若手も汗を流している。グラウンド外でも足りない部分を鍛える。そうした姿勢が、広島の強さの一因だ。
(週刊FLASH 2018年10月16日・23日号)