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引退したロッテ「大隣憲司」技巧派を育てた監督からの助言
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.11.03 16:00 最終更新日:2018.11.03 16:00
2018年も逸材揃いだったプロ野球ドラフト会議。東大合格より難しいといわれる世界に飛び込んだ、かつての「選ばれしエリート」である元ソフトバンク「ドラ1」の大隣憲司(33)を訪ねた。
「ホークスには杉内俊哉さんや和田毅さんなど、左の手本となるピッチャーの人が多かったし、いろんなことを総合的に考えて希望したんです。
近畿大学時代は、打者に読まれていても打たれなかった150キロのストレートが、プロでは簡単に打たれてしまう。野球をやってきて、初めて壁にぶち当たった気がしました」
晩年は技巧派の印象が強いが、その裏には先輩の助言があった。
「2009年、完投目前のある試合で失点を重ねて『何回、同じことをやっとんじゃ!』と、鬼の形相の小久保裕紀さんからマウンド上で説教を食らいました。
その翌年、交流戦で前田健太と投げ合って負けた試合では、秋山幸二監督から『お前の投球には何が足りないかわかるか? 緩急だよ』と打者の視点で、いろいろとアドバイスをしていただいた。2人の言葉がきっかけで、緩急を意識するようになったんです」
2013年に黄色靱帯骨化症を発症し、翌年、劇的な復活を遂げた。
「いちばん酷いときは投げるのが精いっぱいで、足の裏の感覚がなかった。それだけに、2014年は濃密でしたね。実質3カ月だけど、一年半ぐらい働いたんじゃないかってほどの勢いでした。
手術しても、発症前の状態には戻らないんですよ。正直、今も痺れはあります」
昨年11月、約11年在籍したソフトバンクから戦力外通告を受け、退団。トライアウトを経て、2018年2月からロッテに在籍したが、9月に引退を表明。来季からは千葉ロッテの二軍投手コーチに就任する。
「ホークスしか知らなかった僕を拾ってくれたおかげで、一年間長く、楽しく野球ができた。
僕は怪我も多かったので、そういう部分でもアドバイスできることはあると思いますし、一人でも多く一軍で勝てるピッチャーを送り出していけるように頑張ります」
おおとなりけんじ
1984年11月19日生まれ 京都府出身 ソフトバンク、ロッテで活躍。2014年、難病を克服して復活。プロ12年間の通算成績は141試合52勝50敗、防御率3.36
(週刊FLASH 2018年11月6日)