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無敗の王者「メイウェザー」試合拒否でフジテレビが悲鳴

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.11.14 06:00 最終更新日:2018.11.14 06:00

無敗の王者「メイウェザー」試合拒否でフジテレビが悲鳴

 

「残念な東京への旅だった」

 

 この言葉とともに、自身のSNSに総合格闘技「RIZIN」への批判を綴ったのは、ボクシング元5階級王者のフロイド・メイウェザー・ジュニア(41)だ。

 

 

 大晦日のRIZINでのキックボクサー・那須川天心(20)との試合について、「エキシビションマッチと聞かされていたため中止を求める」と宣言したのだ。

 

 投稿3日前の11月5日に発表された直後から、「世紀の一戦」は大きな話題になった。メイウェザーは「50戦無敗」を売りに、巨額のファイトマネーを引きずり出してきた過去から、「マネー(金の亡者)」と呼ばれる。

 

 2015年のボクシング元6階級王者マニー・パッキャオとの対戦では約270億円、2017年のUFC王者コナー・マクレガーとの対戦では約300億円を手にした。私生活も派手で、かつては札束の上で寝ていたという逸話を持つ。

 

 しかし、ボクシング誌記者が意外な現状を語る。

 

「じつは、彼のフトコロ事情は苦しい。9月に来日した際には、SPのような取り巻きを30人も連れてきた。そんな大人数を連れ、プライベートジェットで世界を飛び回っているのだから、維持費は馬鹿にならない。かつては税金を滞納していたし、ボクシング選手としてはほぼ引退状態。

 

 今はTMTという会社を立ち上げて、アパレルビジネスをおこなっている。だが、それもアメリカでは頭打ちの状況。ビジネス展開のために、メイウェザーは日本での露出を狙っていた。そこで白羽の矢が立ったのが、RIZINだった」

 

 ゴールデン帯に生中継をするなど、フジテレビがバックアップしてきたRIZIN。しかし、2015年の立ち上げ以来、視聴率は伸び悩んでいた。

 

「RIZINはフジから、生中継の打ち切りをちらつかされている。9月の大会では、視聴率9~10パーセントというノルマを課せられ、年末のメインカードになる予定だった那須川と総合格闘家の堀口恭司との一戦を前倒ししました。

 

 その大会は瞬間最高視聴率9パーセントを記録し、及第点に。でも、年末の目玉を失って……。そんな折、メイウェザー側から打診があったんです」(格闘技ライター)

 

 渡りに船で実現した一戦には、フジ局内でも大反響が。

 

「対戦が決定したときは、『マジかよ』と局内でも驚きの声が上がりました。でも、“あの” メイウェザーが相手ですからね……」(フジテレビ関係者)

 

 あの、と前置きがあるのは、彼に「悪癖」があるからだ。

 

「パッキャオとの一戦では、『やる』『やらない』を繰り返し、実現までに5年かかってます。そうやって彼はファイトマネーを吊り上げてきた。

 

 ただ、今回は15億円プラス収益分配というかたちで合意しています。というのも、RIZINも那須川もプロボクシングのライセンスがないので、純然たるボクシングルールの試合はできません。

 

 そうなると、変則ルールのエキシビションしかない。RIZINもフジもできる範囲で、いかに『真剣勝負』っぽく見せられるかを考えていました」(前出・格闘技ライター)

 

 運営側の勇み足も、メイウェザーに不安を与えた。

 

「RIZINの榊原信行実行委員長が会見で、『短いラウンドになるかもしれないが、本当の真剣勝負』などと煽ったせいで、『公式な試合』という誤解がメイウェザーに生まれた。

 

 公式な試合なら、彼は15億円では納得しないし、ボクシングからかけ離れたルールになれば負けるリスクも高まる。『無敗』の価値を彼自身がいちばん知っている。

 

 メイウェザーは、この後パッキャオとの再戦でひと儲けしようと目論んでいるし、カネもルールも、足元を見られた要求が突きつけられるはずだ」(スポーツ紙記者)

 

 RIZINは今後について、「現在、先方へ事実確認をしております」の一点張り。知らぬところで “フラれた” 那須川は、9日に公開練習を実施。メイウェザー戦について聞かれるとこう答えた。

 

「本当になくなったのかまだ信じられない。そういうことをする人って有名らしいので」

 

 年末のビッグマッチ実現に向けて、狡猾な「金の亡者」と、金銭闘争の第1ラウンドが始まった。

 

(週刊FLASH 2018年11月27日号)

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