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女子フィギュア「紀平梨花」卒業式も出られず練習の日々
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.12.07 21:34 最終更新日:2018.12.07 21:34
12月7日(現地時間6日)、バンクーバーで行われたフィギュアスケート・グランプリファイナルで、女子ショートプログラムに紀平梨花が出場、ルール改正後の世界最高得点となる82.51を記録した。
スケート関係者がこう語る。
「彼女のジャンプは、ひとつひとつがとにかく正確。高さがあって、無駄な力がまったくない。曲に合わせて流れるように飛ぶトリプルアクセルは素晴らしい。
ただ、これまで、ショートはどうしてもトリプルアクセルを飛び急いでしまうところがありました。世界最高得点を叩きだしたとはいえ、スピンのポジションや、ひとつひとつのエレメントをつなぐ演技などはまだ課題が残るので、これからの伸びしろは十分あります」
同じ濱田美栄コーチに指導を受ける宮原知子に憧れているが、「練習の虫」と言われるほど練習熱心。実際、本人も「誕生日の日も練習ばっかり」と語っているほどだ。
ハードな練習のせいで、同世代が普通に経験する学校生活を送れないこともある。中学時代、紀平の学年の学年主任を3年間務めた上ヶ原中学の中村吉次郎先生がこう話す。
「うちの中学の体育大会では、ムカデ競争が伝統の学年種目なんです。だけど、本人と保護者の意向で参加しなかったですね。参加はしたいけど、ケガの心配があるので見送らせてほしい、という相談を受けました」
それだけでなく、卒業式も参加できなかったという。
「国際大会と重なって、卒業式も参加できなかった。それで校長室でミニ卒業式を開き、校長先生や関わりのある教師が参加して卒業証書を渡しました」(同上)
かつて自宅があった場所の近くに住んでいる女性は、紀平が遊ぶ姿をよく覚えている。
「週に1回だけお稽古ごとのない日があるらしくて、その日はお友だちと家の前で遊んでいましたよ。活発で明るく、鬼ごっこをしたり、一輪車に乗ったりしてました。
自分のお友だちとはもちろん遊ぶけれど、仲の良い姉妹だったので、お姉ちゃんのお友だちとも遊んでましたね。挨拶はきっちりできるし、しつけはちゃんとされてました」
14歳のとき、紀平が史上7人目でトリプルアクセルを成功させたときには、学校の友達からサインを求められたという。鮮烈な姿を世界に見せつけた紀平。高校からは通信制になり、よりいっそうスケートに打ち込む環境になる。世界を驚かす活躍はこれからだ。