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移籍金2億円の「山口蛍」父親は新聞配達で息子を支えた
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.12.11 23:26 最終更新日:2018.12.11 23:26
12月11日、ヴィッセル神戸がセレッソ大阪のMF山口蛍を獲得すると報道された。移籍金は推定2億円、年俸は推定1億円を超す複数年の大型契約で、年内に正式発表される見込みだ。
山口は、小学6年生の夏にセレッソのジュニアユースに合格する。サッカーを続けるにはそれなりのお金がかかるが、金銭面・生活面で全面的に支えてくれたのは、父の憲一さんだった。憲一さんは社会人サッカーをやっていたが、実は、山口が小学生の頃に離婚している。
「男手一つで兄弟を育ててくれた。普通に朝仕事行って、夜帰ってきて。朝も新聞配達とか行ったりしてたんで、メーンの仕事以外にもやってて、夜もたぶん働いていた」
山口は産経新聞のインタビュー(2013年12月21日)でこう語っている。
ジュニアユースの練習場まで、自宅から電車と自転車を乗り継いで、片道1時間50分かかった。
「練習が終わるのは午後9時ぐらい。みんなで帰りにパンとか買って食べたりしてたから家に帰るのはだいぶ遅かったですね」(同)
父はいつも駅まで迎えに来てくれたという。それだけではない。山口が欲しがった高額のスパイクも買い与え、息子の将来を全力で応援した。
山口は、中学から高校に進学する1カ月半ほどサッカーから距離を置き、金髪になったこともある。だが、夢を取り戻し、ふたたび練習を開始する。
そして2009年、セレッソに入団。日本代表として、2012年ロンドン五輪、2018年ロシアW杯に出場するなど、日本を代表する選手になった。
ヴィッセル神戸には、山口と同じMFにイニエスタがいる。楽天の三木谷浩史会長は、FCバルセロナのノウハウを受け継ぎ、独自のスタイルを築くという「バルセロナ化」を進めているが、山口はイニエスタとともに、間違いなくその主役となるだろう。
ロンドン五輪の後、山口は感謝の気持ちを込めて、父親に車を買ってあげたという。今回の移籍は、そのプレゼントをはるかに超える贈り物となる――。