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まだあった貴乃花部屋の暴行事件、凶器のまな板は6つに割れた

スポーツ 投稿日:2018.12.12 06:00FLASH編集部

まだあった貴乃花部屋の暴行事件、凶器のまな板は6つに割れた

 

 2017年末の元日馬富士(34)の暴力事件で被害者だった貴ノ岩(28)が1年後、付け人の貴大将(23)への暴力で、今度は自分が加害者となった。12月7日の会見で、「深く反省し、責任を取り、本日をもって引退させていただきます」という言葉を残し、角界を去った。

 

 相撲協会は2017年の元日馬富士事件以来、暴力の根絶に取り組んできた。2018年2月に暴力問題再発防止検討委員会を立ち上げ、10月には「暴力決別宣言」を発表。

 

 これはすべて、「被害者・貴ノ岩」がきっかけで作られた。それをよりによって本人が破るとは……。

 

 貴ノ岩をよく知る関係者たちは、「彼には以前から暴力的なタチがあり、そもそも貴乃花部屋自体が『暴力部屋』だった」と声を揃える。

 

 貴ノ岩の暴力行為が初めて表に出たのは、2014年12月。貴乃花部屋の元幕下・貴斗志が、元貴乃花親方(46)に強制的に引退させられたことをめぐり民事訴訟を起こしたことがきっかけ(2018年2月に和解)。

 

 この裁判では、多くの元貴乃花部屋の力士たちが、貴ノ岩の暴力行為を明かした。原告の貴斗志はこう証言している。

 

「貴ノ岩から『挨拶がない』との理由で、一方的に3発殴られた耐え切れなくなった自分が一発殴り返すと、貴ノ岩は『お前、ぶっ殺してやるよ。鉄アレイ持ってこい』とさらに激昂した」

 

 元幕下の貴麻衣は、貴ノ岩に暴力を指示されたと証言。

 

「貴ノ岩の付け人がミスしたとき、『あいつをぶん殴っとけ』と指示された。だが、自分は殴らずに『仕事はちゃんとしとけ。あと、俺に殴られたことにしていい』と伝えたところ、翌日『なんで殴らなかった』と激怒され、自分が貴ノ岩から殴られた」

 

 さらに貴麻衣は同裁判で、別の力士が雑務を怠っていたことが原因で、2013年11月に貴乃花親方から平手で10発、拳でも10発ほど殴られ、「師匠の部屋に血しぶきが飛んだ」と明かした。

 

 2年間、貴ノ岩の付け人だった元三段目の貴翔馬も、こう証言している。

 

「九州場所の宿舎で貴ノ岩にエアガンで撃たれた。後輩たちは皆、貴ノ岩のパンチの餌食になっていた」

 

 さらに貴翔馬は、元世話人の嵐望の蛮行にも言及した。

 

「貴神龍(元三段目)の頭をビールケースで殴り、彼の頭が血染めになった。古関(元序二段)の頭をまな板で何度も殴り、衝撃でまな板が6分割になった」

 

 なぜ、日常的に暴力が繰り広げられていたのか。

 

「貴乃花部屋の稽古は朝4時から始まり、四股を何時間も踏まないと土俵に上がれないなど、角界一の厳しさだった。そのため部屋には『緊張と緩和』がありました。

 

 厳しすぎる稽古のあと、貴乃花親方がいなくなると、兄弟子たちの鬱憤が弟弟子に爆発していたことは否めません」(担当記者)

 

 また、「おかみさん不在も大きい」と元部屋関係者は語る。

 

「景子さんは講演で『弟子の健康管理に気を配り、食事にムラがないか、揉め事はないかを常に気をつけています。またおかみは師匠の伝えたいことを代弁する役割もあります』と話していたが、なにせ、自宅からの『通いおかみ』。

 

 そこまで目が行き届かないし、食事を作ることもほとんどなかった。もし本当に気を遣っていたら、これほど無秩序な部屋にはなっていなかった」

 

 かつて本誌は、貴乃花部屋の近所のコンビニで、ある力士と遭遇。彼は肉まんを20個以上購入していた。その力士こそ、今回の被者・貴大将だった。部屋の食事だけではもの足りなかったのか、買い出しに行かされる彼の「パシリ姿」を何度も目撃した。

 

 また一人、世間を騒がせた男が角界を去った。暴力の根絶にはほど遠い。

 

(週刊FLASH 2018年12月25日号)

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