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ここが変だよ「日本の契約更改」カナダでは彼女の旅費もOKで…
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.12.21 06:00 最終更新日:2018.12.21 06:00
「日本の契約書は紙一枚。でも、アメリカのは『立つ』んだよ」というのは、日米の契約交渉の違いを表わすとき、よく言われる話だ。
それだけ米球界の契約書は分厚く、細かく、付帯条件も多岐にわたる。日米両方でプレー経験のある元選手たちの目に、その違いはどう映るのか。前田勝宏氏は西武を経て、ヤンキースの3Aなどでプレーした。
「大事な契約なのに、紙一枚というのは……。契約書がそんなだから、日本での選手の立場、扱いはあまりよくなかった。西武での2軍時代は、同じ席で選手が3人同時に交渉することもありました。
まあ、でもアメリカの契約書は分厚すぎて、じっくり読んだことはないですけどね……(苦笑)」
日本のプロ野球を経験せずにメジャーデビューを果たしたマック鈴木氏も語る。
「代理人は団野村さんでしたが、団さんにとって僕が初めての選手だった。なので、交渉手段があまりわからなかったようです。
もっと経験があれば、もう少しいい条件をつけられたかもしれない。たとえば、オフに大学に通う費用とか……」
鈴木氏はその後、アメリカとカナダの独立リーグ、メキシカンリーグも経験した。
「メキシコでは契約の席につくのは自分とGMの1対1。向こうが提示した金額に対して交渉し、あとはインセンティブが多いです。
何勝したとか、先発として試合を作ったかとか。ちゃんとやっておかないと、活躍してからもうちょっとくれ、というのは絶対できないので。カナダのときはコンドミニアムと車を要求しました。
また当時つき合っていた彼女の旅費を払ってくれと。気前のいいオーナーで、いいよと二つ返事でした(笑)」
近年、巨額契約が続出するメジャーリーグだが提示金額は意外にも渋いようで。
「メジャーでは、活躍し始めたくらいでは一気に何十パーセントも上がらない。その代わり一気に下がることもない。中島宏之やオリックスの金子千尋が大幅減提示になっていますが、上がるときも大幅に上がるんだから、下がっても文句を言えないはず。そういう点では、日本は曖昧ですよね」
よくも悪くも日本球界の契約更改は「ご祝儀」 感覚なのだろう。
(週刊FLASH 2018年12月11日号)