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【大相撲職人たちの匠の技】髷を結う「床山」はクセ毛に困惑

スポーツ 投稿日:2016.03.15 16:15FLASH編集部

 

  髷(まげ)の先端を広げ、大きな銀杏(いちょう)の葉に見えることから名づけられた大銀杏。明治の断髪令を生き延び、関取(十両以上)のみが結(ゆ)うことを許される力士の象徴だ。

 

 その髷を結うのが「床山」で、定員は50名(現在55名在籍)。定年は65歳である。この道34年めのベテラン、床仁さん(49歳、春日山部屋)が言う。

 

「大銀杏を結うのは毎回難しいし、横綱となると気を遣います。注目の度合いが違いますからね。テレビがハイビジョンになってからは、ミリ単位の違いまでわかってしまう」

 

 以前と変わったことはそれだけではない。

 

「外国出身の力士が増えましたから癖毛が大変。現役では、大砂嵐関(エジプト出身)ですね。昔、小錦関はストレートパーマをかけていたんですが、大砂嵐関は毛が細くてパーマもダメ。

 

 あとは量が少ない人も難しい。奥の手として〝付け毛〟もあります。でも不思議なことに、結うのが難しい頭の人ほど番付が上がっていくんです(笑)」

 

 床山も力士同様に格付けがあり、3年間の見習いを経て、五等、四等と上がっていき、一等と最高階級の特等床山になると番付に名前が載る。現在一等の床仁さんは、かつて相撲少年だった。

 

「体が小さくお相撲さんは諦めたけど、『力士にいちばん近いのは床山だ』と入門当時の親方に言われ、力士とともに夢を結っていこうと決めました。

 

 大銀杏を結えるようになるまでは10年近くかかります。毎日髪を触っているので毛の色艶などで、今日は調子がいいなとかわかるものです。

 

 床山はテレビに映りませんが、自分がやった大銀杏が映る。だから僕は、大銀杏に夢を結うんです」

 

(週刊FLASH 2015年11月24日号)

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