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日本唯一の五輪100m高校生出場者「不破弘樹」作戦失敗を語る

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.02.05 16:00 最終更新日:2019.02.05 17:49

日本唯一の五輪100m高校生出場者「不破弘樹」作戦失敗を語る

 

 かつて10代にして、100m走で日本記録を叩き出した男がいる。不破弘樹さん(52)だ。

 

「なぜか取材では、『いつの時代に戻りたいか?』とよく聞かれるんですが、迷わず1984年と答えます」

 

 

 1984年といえば、不破さんがロス五輪男子100mに出場した年。しかも高校3年生だった。同種目に高校生で出場した日本人選手は、いまだにいない快挙である。

 

「出場決定後は、周囲の大人たちから『五輪は普通の大会とは違う。とにかくすごいから。緊張するから。ふだんどおりにはいかないから』と、何度も言われたんです。

 

 僕はこれまでのレースは、ある程度緊張した状態で臨んでいたので、ならば逆の精神状態、フニャフニャで臨もうと(笑)。1次予選の入場の際は、プラカードを持った女性に『今日は何を食べた?』と英語で話しかけた。

 

 まったく集中できていなくて、気づいたらゴールでした。あの大失敗を取り返したいんです(笑)」

 

 だが、続くソウル、バルセロナ五輪で雪辱の場はまわってこなかった。

 

 引退後はサラリーマン生活を経て、上武大学で指導。その後、5年にも及ぶ熱烈なラブコールに押され、2017年の衆院選に群馬県第4区から出馬するも落選した。

 

「選挙は負けましたけど、いろんな方と接点が持てて、いい経験になりましたね。もう1度? いやいや、もういいです(笑)」

 

 現在は一般社団法人「TEAM不破」を立ち上げ、子供たちから大人まで走る楽しさを教えている。


ふわひろき
1966年7月9日生まれ 群馬・東農大二高時代の1984年に100メートル日本タイ記録、1987年に10秒33の日本新記録(当時)。中学時代からすべてのカテゴリーで日本記録を樹立した

 

(週刊FLASH 2019年2月12日号)

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