スポーツ
池江璃花子「白血病」治療終了まで2年かかる可能性
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.02.20 06:00 最終更新日:2019.02.20 06:00
2月12日、ツイッターで白血病の診断を受けたことを告白した、競泳日本代表の池江璃花子(18)。水泳連盟も所属企業も、「当面は治療に専念させる」と公言しているが、プールにはいつ戻って来れるのだろうか。
本誌が複数の医師に取材をすると、「急性の白血病」との見解で一致。松戸市立総合医療センター化学療法内科部長の五月女隆氏はこう語る。
「急性は経過が早く、1カ月以内に進行します。見つかったら即刻入院、即刻治療を要します。すぐに治療を始めるわけですから、池江さんの場合はおそらく急性と思います」
急性白血病の治療計画について、ナビタスクリニック新宿院長の濱木珠恵氏が解説する。
「抗ガン剤を入れて数週間待ち、白血球や赤血球や血小板が増えるかを確認するのが、最初の治療です。これを『寛解導入療法』といいます。
『寛解』とは完治ではなく、落ち着いた状態のこと。まず、白血病細胞が少ない状態に持っていき、その後に念を押して、さらに白血病細胞をいなくする『地固め療法』をおこないます」
この1コースの期間は、個人差があるが、だいたい4週間から6週間だという。これを数コース繰り返す。
「治療では白血球がほとんどない状態になるので、無菌室に必ず入ります。赤血球、血小板の輸血も必要に。抗ガン剤治療だけですめば、早ければ数カ月で治療が終わる可能性もあります。また、抗ガン剤治療だけでは不十分と考えられる場合には、骨髄移植もおこないます」(濱木医師)
多くの医師が口にしたのが「治療終了の目途は約2年」という点だ。つまり、東京五輪には間に合わない。だが、日本臍帯プラセンタ学会の会長で松本クリニックの松本浩彦院長はこう言う。
「五輪に出られるかどうか、ということは、いま論じるべきではありません。まず病気を治すこと。けっして無理な復帰を強いてはいけません。日本水泳界の女王ですが、まだ18歳の女性なのです」
以下では、池江の闘病史と復帰へのロードマップを掲載する。1日も早い回復を願ってやまない。
【池江璃花子「再起への道」】
・2019年1月18日~/オーストラリア合宿
2月10日までの予定だった
・2月4日/血液検査
現地医師に帰国をすすめられる
・2月8日/緊急帰国
日本の病院で「白血病」の診断を受けて入院、2週間ほど精密検査
・2月12日/病気を公表
ツイッターで「白血病」を告白。連盟も2時間後、会見へ
・2月下旬
精密検査の結果を受けて、「寛解導入療法」+「地固め療法」。この1コースは4~6週間。この治療を数カ月繰り返す
・4月上旬/日本選手権
欠場へ
・7月/世界選手権(光州)
自動的に欠場へ。優勝ならば五輪内定だった
・8月末ごろ
最短でも半年入院。予後がよければ退院も。入退院を繰り返して好転を待ち、効果が不十分な場合は、骨髄移植に移る。以降、運動ができる可能性もあるが、まずはリハビリへ
・2020年年明け
競技復帰できるかも
・2020年4月/日本選手権
派遣標準記録を突破した各種目上位2名が東京五輪へ
・7月24日/東京五輪開幕
・2021年2月
治療終了のめど
※複数の医師への取材をもとに本誌が作成。「急性の白血病」と仮定した場合
(週刊FLASH 2019年3月5日号)