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女子ゴルフ開幕戦の裏でテレビ局と対立「放送権料よこせ」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.03.16 06:00 最終更新日:2019.03.16 06:00
3月7日からのツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」には、初日から約3000人のギャラリーが集結した。さらに、今季は全39試合、賞金総額は過去最高「39億4500万円」と、盛り上がりは例年以上だ。
「米国ツアーで活躍する畑岡奈紗、15歳でツアー優勝した勝みなみ、2018年ルーキーながらシードを獲得した新垣比菜や原英莉花、かわいらしいルックスで話題の三浦桃香など、1998年度生まれの『黄金世代』を筆頭に若手が人気、実力ともに台頭してきています」(ゴルフ担当記者、以下同)
だが、統括団体のLPGAにはある火種が燻っている。
「小林浩美会長が、大会の放映権は協会に帰属すると主張し、大会を主催、放送してきたテレビ局側と2018年12月から対立しているんです。LPGA内には、小林会長を止めるブレーンがいないし、『ポスト小林』候補もいない。
現役選手を取りまとめる『プレーヤーズ委員会』で委員長を務める有村智恵と、前委員長の比嘉真美子が大会の中止を危惧。
一時撤退した、大会主催社の日本テレビ系3局に、開催継続の要望書を送ったほどです。最終的には、局側も今季の継続を決定しました」
各局とも、「ファンのためにも」と今季の開催、放送はひとまずおこなうと発表したが……。
「まだ、来季以降は平行線のまま。『ダイキンレディース』を放送したTBSの関係者も、『このままの流れだと、2020年は放送しない可能性もある』と言っている。
小林会長は、放映権を一括管理し、『BSやCS、動画配信企業に数十億円で放映権を売れる』と踏んで強気に出ていた。だが、BSやCSも、民放各局の子会社が多く、動画配信の交渉も思うように進んでいない。当初、今季開幕と同時に動画配信をおこなう予定だったが、まだ目処は立っていないようだ。
テレビ局からすれば、不遇の時代もリスクを負って女子ツアーを開催し、放送してきた。それなのに突然、LPGAが放映権だけください、と言い出したようなもの。怒るのは当然です」(民放関係者)
若いプレーヤーたちのモチベーションとなっているのが、東京五輪だ。黄金世代の新垣はこう語っている。
「五輪には出られたらいいと思っている。(出場権獲得には)2019年の成績が大きいので、気合を入れてやっていきたい」
しかし、五輪が開催される2020年、民放各局が放送やツアー開催から撤退することになったら……。
若手選手のためにも「大人の事情」は、早く解決してほしいものだ。
写真・竹藤光市
(週刊FLASH 2019年3月26日号)