3月20日、アスレチックスとの開幕戦に先発するも、2打数無安打のまま4回裏で退いた、マリナーズのイチロー(45)。「レジェンド」の早すぎる途中交代に、東京ドームの4万5000人の観衆が、思わずため息をついた。イチローが、試合終了後すぐに姿を見せたのは、赤坂の街だった。
のちにわかることだが、胸の内には「引退」の決意があった。高級焼き肉店で、試合後の晩餐をともにした相手は、もちろん弓子夫人(53)だった。
赤坂の街で、イチローの後ろをぴったりついて歩く弓子夫人。食事を終え、マネージャーふうの男性に案内され2人は、ワゴン車に乗り込んだ。
「ホームの試合では、妻が握ってくれたおにぎりを食べるんです。その数が2800個ぐらいだった。とにかく頑張ってくれました」
イチロー自身が引退会見でそう感謝を述べた夫人とともに、試合以外はチームから離れ、別行動で過ごしていた。
たとえば帰国時、羽田空港にチャーター機で到着したイチローは、同僚の菊池雄星らとは別の出口から空港を出る、「VIP凱旋」を見せた。それは、マリナーズから功労者への、最大限の気遣いだろう。
イチローは1時間半の食事後、すぐにホテルへ戻り、翌日の試合に備えた。迎えた3月21日は、記憶に残る引退試合になったわけだが、最後までプロフェッショナルを貫いた形だ。3月15日の帰国から、電撃引退を経て、翌22日に再びシアトルに渡るまでは、わずか8日間だった。
イチロー、いろいろとお疲れさまでした!
(週刊FLASH 2019年4月9日号)