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谷亮子、シドニー五輪のドーピング検査は「6時間」と告白
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.04.09 16:00 最終更新日:2019.04.09 16:00
オリンピック・柔道金メダリストの谷亮子が、4月7日放送の『平成スポーツあったなぁ大賞』(TBS系)に出演し、自身初となるオリンピックでの金メダル獲得にまつわる裏話を披露した。
番組で谷は「はじめての話になるんですけど」と前置きし、「じつはシドニーオリンピックの試合前日、もう一つの戦いがありました。抜き打ちドーピング検査というのにあたった」と発言。
ドーピング検査は競技終了後に行われるのが通常で、「オリンピックを5回経験しましたけど、見たことなかったですね。試合の前日にまさか来るとは思ってなかった」と説明。さらに、検査が行われた状況について「もう休む前ですよ。ベッドに入る寸前だったんです」と付け加える。
1992年のバルセロナオリンピックで銅メダル、1996年のアトランタオリンピックでは銀メダルに終わった谷。金メダル獲得は悲願だったため、シドニーオリンピックにむけて過酷なトレーニングをこなしていた。
試合本番での体重調整にも並々ならぬ神経を注いでいたが……。
「計算していて『体重測定に行く前に用を足したらトイレで100(グラム)ぐらい減るだろうな、寝汗では200ぐらい減るから(合計で)300ぐらいは落ちる』って想定で調整が出来上がっている。そのなかでドーピングコントロール(検査)をやらなきゃいけなくなった」
検査を拒否すれば、当然失格に。ここへきて厳しいトレーニングが災いし、すぐに尿を出すことができなかったそうで、「6時間ぐらいかかりました。もしかしてこのまま朝を迎えるのかと思った」と明かす。
しかし、このピンチとも思える状況こそが、金メダルをもたらしたのだと振り返る。
「それでも気持ちが動じなかった。これも乗り越えてこその金メダルだと。逆に腹が決まったというか。どんなことが起きても対応できる強さを1つ学んだ。シドニー以上のことはそうないので、本当に大きな経験をさせてもらったなと思っています」
2004年のアテネオリンピックでも金メダルを獲得し、見事、2連覇を果たした谷。抜き打ちのドーピング検査が、柔道家としての彼女を進化させたようだ。