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元ボクシング世界王者「竹原慎二」ガン治療に600万円スポーツ 2019.04.27

入院時の竹原さん

 

 人間だれしも、ガンになるリスクを抱えている。「備えあれば憂いなし」とはいうものの、闘病経験のない者にとっては、未知の恐怖がある。そこで、膀胱ガンを克服した元ボクシング世界王者の竹原慎二さん(47)を訪ね、ガンの予兆を感じた「いま思えばあのとき……」を聞いた。

 

 2014年2月に膀胱ガンが見つかった竹原さんだが、予兆は1年前からあった。

 

 

「激しい頻尿や、残尿感がひどくて、近所の病院に行ったんです。そうしたら、菌が検出されていないのに、膀胱炎の診断。その後も痛みは続きましたが、服薬で経過を見ていました」

 

 そして2013年の大晦日、忘年会のときに大量の血尿が出た。

 

「尿道にタバスコをかけられたような激痛でした。そんな経験、もちろんありませんけど(苦笑)。後日、わかりましたが、膀胱や尿道に、炎症が起きていたんです」

 

 1月6日に、別の総合病院を受診するも、漢方薬を処方されただけだった。

 

「そして2月2日、再び血尿が出たので、尿道からカメラを入れて病理検査をしたら、膀胱ガンが見つかったのです。ステージIV。余命は1年でした」

 

 医師からは「1年前に見つかっていれば、膀胱の全摘は免れた」とも言われた。 ガンを1年間も放置され、5年生存率は25%に下がった。当時は夫婦で泣くことが多かったという。

 

「最初の医者が、やるべき検査をおこなっていなかったんです。悔やまれますね」

 

 6月12日、膀胱の摘出手術を受けた。東大病院でも当時2例めとなる、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いた手術だった。

 

「膀胱のほか、転移したリンパ節を全摘しました。ガン保険は入っていましたが、当時、膀胱ガンへのダヴィンチ手術は保険適用外。入院費と手術費などで、約600万円かかりました。家を建てたばかりでしたので、愛車のベンツを売って工面しました(苦笑)」

 

 人工膀胱の袋を体外につける「パウチ法」もあったが、「ボクシングの指導で激しい動きをすることもあるから」と、小腸から人工膀胱を作り、それを膀胱があった場所に納めて、尿管とつなげる処置をした。

 

「尿意は感じないです。だから夜中も3時間の間隔で起きて、トイレに行きます。そのとき、腹圧をかけて排尿するので、切れ痔になっちゃうんですよ。そうはいっても、晩酌でビール1本と焼酎2杯を飲んでますけどね(笑)」

 

 担当医からは「2年がひとつの区切り」と言われているが、手術してから、もうすぐ5年を迎える。

 


たけはらしんじ
広島県出身 元WBA世界ミドル級チャンピオン。引退後は俳優としても活躍。「T&Hボクサ・フィットネスジム」の代表として後進の指導にあたる

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