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新大関・貴景勝、父が語る横綱道「白鵬に学び、玉の海になれ」スポーツ 2019.05.13

 

 先の3月場所を10勝5敗という結果で終え、大関昇進を果たした貴景勝。5月11日には、母校の埼玉栄高校から化粧まわしを贈られた。

 

 新たなステージを前に、貴景勝を幼少期から指導してきた父・一哉さんが、大関決定日の秘話、そしてこれからの貴景勝を語ってくれた。

 

 大関昇進が決まった3月27日には、こんな裏話があった。

 

 

「当日は、8時半ぐらいから理事会が始まって、だいたい10分ぐらいで終わって、そこから使者の方が来ても9時過ぎぐらいには到着するだろうなと考えていました。

 

 ところが、9時を過ぎても、理事会は終わっていない。まだ理事会が終わらないのは、ひょっとして揉めてるのかなと思いました。でも、そんなこと過去の歴史上、1回もない。揉めるとしたら、その前の段階、昇進を諮る理事会開催の要請を出すか出さないかです。『遅いなあ、遅いなあ』と。

 

 理事会が終わったら教えてくれるので、その知らせを息子のところに持っていき、『終わったらしいで。今、出たらしいで』と伝えました。その後は、滞りなくできてよかったと思ってます」(一哉さん、以下同)

 

 同日、大阪市内のホテルでおこなわれた伝達式では、「武士道精神を重んじ」という口上が披露され、話題になった。ここ最近の伝達式では、四文字熟語が口上にされるケースが多かったからだ。

 

「口上は本人が考えたんでしょ。私は『四文字熟語を使うだろう。使うとすれば、ふだんから使ってる「臥薪嘗胆」かな。もしくは、貴乃花親方の『不撓不屈』かな、でもそれは使わんかな』などと考えをめぐらせていました。

 

『不撓不屈』を使うと、『貴乃花親方が使われましたよね』という取材が来るじゃないですか。きっと、そういうのも考えたんじゃないですか。だから、本人が思ってること、四文字熟語に縛られない気持ちを素直に言ったんでしょ」

 

 いよいよ始まる夏場所で、一哉さんが新大関として期待することは……。

 

「勝っても負けても平常心でいること。勝って喜びたいのは普通。それも我慢しなくちゃいけない。ようは人生、我慢なんですよ。我慢ができる人間に育てました。

 

 取組については、相撲はバランスの崩しあいですから、右から突いたり、左から突いたりという作戦はあるでしょう。勝ち負けの世界なので、やはり勝とうとする。

 

 でも、立ち合いの変化とか、立つふりをして1回やめてから不意をつくとか、わざと突っかけてその後に変化するとか、そういう姑息な相撲しかできないなら、『下の番付でやれ』ということ。だから、正々堂々と取ってもらいたいですね。

 

 大関には、殊勲賞などの三賞はない。ということは、勝って当たり前なんですよ。当然、金星もつかない。初日から14連勝して千秋楽で負けたら、それで終わり。しかも、横綱以外に負けたら、相手が大関でも、ボロカスに言われますからね。

 

 今までは、大関に勝つとヒーローインタビューに呼ばれましたが、これからは全然違います。番付が下の人だって、ダメ元で思いっきりきますし、守りに入ったら終わりでしょう。返り討ちにあわす覚悟でいかないといけない。

 

 本人も大関が目標だったのではないと思います。目的はやっぱり、横綱なんですよ。結果的に『力及ばず大関で終わった』ということはあるかもしれませんが、横綱になるための大関です。横綱の条件が、『大関で2場所連続優勝』ですから」

 

 身長が低いハンデを、厳しい稽古で覆し、父の心の教えを胸に、大関まで昇りつめた貴景勝。父子にとって、ずっと目標にしてきた「横綱」とは、どんな存在なのだろうか。

 

「まず横綱は、全部勝たないとダメでしょ。横綱相撲というのは、完全に『受けて、受けて、受けて、受けて勝つ』というのがイメージです。

 

 ただ、貴景勝は体が小さいですから、そんなことをしたら吹き飛ばされます。いまはまだ大関ですから、横綱相撲を取らなくていいのですが、相手が突っかけてきたら、それを受ける。

 

 たとえば白鵬関は、どんな状況になっても勝てる。後ろにつかれてもあきらめない。普通の力士だと、後ろにつかれた時点であきらめてしまう。そういうところは見習わないと。

 

 白鵬関も『いろいろと教えてやる』と言ってくださってるようですし、横綱しか知らないことはたくさんあると思うので、教えてもらえばいい。力的にはほど遠いですから、貴景勝はまだまだ伸びていかないと。

 

 そして、横綱になってからもさらに強くなること。玉の海(正洋)は、横綱になってからの勝率が、すごく高かった。そういう力士になってもらいたいですね」

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