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初優勝「朝乃山」パワーの源は焼き鳥と寿司だった
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.05.30 06:00 最終更新日:2019.05.30 07:42
「令和の大器」が覚醒の時を迎えた−−。大相撲五月場所で初優勝を飾った、西前頭八枚目の朝乃山(25・高砂部屋)。「三役経験なし」の優勝は、1961年五月場所の佐田の山以来、58年ぶりの快挙だった。
朝乃山は、富山県出身。近畿大学から、三段目付出で初土俵を踏んだのが、わずか3年前の三月場所。そこから負け越し知らずで、1年半での新入幕というスピード出世を果たした。
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「187cm177kgの恵まれた肉体。『富山の人間山脈』という異名もあります。腕が長く、足腰もどっしりとして、バランスがいい。『大横綱』を彷彿とさせる体格で、早くから大器と期待されていました」(相撲ジャーナリスト・荒井太郎氏)
幕内で先場所までに2桁勝利が2回、敢闘賞を2回受賞しているものの、最高位が西前頭五枚目。大器というわりには、伸び悩んでいた印象が強い。
「去年の九月場所、そして今年の三月場所と、あとひとつで勝ち越しというところから5連敗し、負け越したことが2度もありました。どこか気持ちの問題というか、そこが伸びきれない理由だったのかもしれません」(荒井氏)
もっとも三月場所は、場所中に食べた牡蠣にあたって体調を崩したというから、同情すべき点はあるといえる。だが、場所後に師匠の高砂親方から体調管理の甘さを指摘され、意識を変えたという。
「五月場所は、初日から5連勝。六日目に負けましたが、連敗はせず、あっさり勝ち越しました。竜電や輝などこれまで苦手にしてきた相手を克服し、精神面で成長しているなと感じました」(荒井氏)
その人物評は−−。
「富山ののんびりしたところで育ったせいか、性格もやや、のんびりしたところがありますよ。でも人懐こくて、天真爛漫。なによりスレたところがないのがいい。記者ウケも上々です」(相撲記者)
十両時代には、本誌の「新星力士特集」に登場。
「好きな女優さんは上戸彩さん、磯山さやかさん、石原さとみさん。細い人より少しぽっちゃりしているほうがいい。きれい系より可愛い系。あまりきれいな人だと逆らえない気がするんで……」と、好みの女性のタイプを告白していた。
さらに、「富山県出身なので、寿司も好物なんですが、焼き鳥も大好物なんです!」と語った。冒頭の写真は十両時代に、神楽坂の焼き鳥屋で撮影したものだ。
さて、新時代の幕開けとともに大化けしてみせた大器だが、今後どこまで番付を上げられるか。ある親方は、やや厳しめの評価だ。
「あくまであの番付(前頭八枚目)での成績だからね。これが前頭上位まで上がって、横綱、大関とも当たると全然違う。
これは朝乃山だけじゃなくて、学生相撲出身の力士全般に言えることだけど、圧倒的に稽古量が少ない。大学出の力士には、部屋の親方も遠慮してあまり強く言えない。もっと出稽古して、横綱、大関に鍛えてもらわないと」
一方で、前出の荒井氏はおおいに期待していると言う。
「体格は文句なし。押し相撲全盛のいまでは、珍しい本格的な四つ相撲を取る。そのスケールの大きさに期待します。気持ちの面でも、もっと強くならないといけないでしょうが、近いうちに三役に定着、あるいはそれ以上もあるでしょう」
本誌のインタビューには、「尊敬しているのは、同じ『右四つ』の白鵬関。人生は一度きり。やるからにはいちばん上(横綱)を目指したい」と宣言。
富山県出身の横綱となれば、明治・大正時代に活躍した太刀山(第22代横綱)以来となる。
(週刊FLASH 2019年6月11日号)