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父が語る「朝乃山」四股名の由来は挫折を救った亡き恩師
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.07.13 11:00 最終更新日:2019.07.13 11:00
令和初となった5月場所で、「三役未経験」の前頭八枚目から優勝を勝ち取った朝乃山(25)。本名・石橋広暉が生まれた富山市呉羽地区は、前出の横綱・太刀山の出身地で、相撲が盛んな地域。
相撲を始めたのは小学4年。学生相撲出身で、エリート街道を歩みつづけてきたように見えるが、そうではなかったと語るのは、父の石橋靖さん(62)だ。
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「相撲と並行してハンドボールもやっていて、県の指定強化選手だったんです。でも、走るのがきつかったみたいで、やめたんです。
中学3年のときには、相撲の都道府県大会で腕を極められて、左腕を骨折してるんですよ。あそこで相撲をやめていても、不思議はなかったほどの大怪我です」
気持ちが折れそうになっていた石橋少年を奮い立たせたのは、富山商業高校相撲部監督の熱心な勧誘だったという。
「今の朝乃山があるのは、高校で浦山先生に鍛えられたおかげです」(靖さん)
恩師・浦山英樹さんは朝乃山が幕下優勝して十両昇進を決めた直後、ガンにより40歳の若さで亡くなった。朝乃山英樹の四股名には、恩師への感謝の念がこめられている。
「小さいころから明るくて優しい子でしたよ。ときどき、相撲取りにしては優しすぎるんじゃないかと言われることもあります。でもいいじゃないですか、土俵で強ければ。気は優しくて、力持ち。それでいいんです」(靖さん)
次のページでは、写真とともに朝乃山の成長ヒストリーを紹介する。