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夏の甲子園、47都道府県校「伝説の名勝負」を見よ/東日本編

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.08.04 11:00 最終更新日:2019.08.04 11:00

【千葉】
●銚子商VS.作新学院(1973年2回戦)/1-0
 作新学院(栃木)の江川卓(元巨人)を相手に、銚子商は10回裏まで10安打無得点。

 

 12回裏、ヒットと2四球で一死満塁とし、フルカウント。江川が投じたストレートは大きく外れ、サヨナラ押し出し四球でゲームセット。銚子商の土屋正勝(元中日)は、4安打完封と完璧な内容。

 

【埼玉】
●浦和市立VS.宇部商(1988年準々決勝)/7-3
 出場校中、予選のチーム打率は最下位で三振数も最多という公立の浦和市立が、県予選をノーシードから駆け上がり、甲子園初出場。甲子園でも強豪校を次々に破り旋風を巻き起こした。

 

 宇部商(山口)との試合では4、5回で3点を奪われたが、6、7回で3点を取り返し、振り出しに。11回表、一死満塁からの4点で、一気に勝負を決めた。

 

【東京】
●早稲田実VS.駒大苫小牧(2006年決勝)/4-3
「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹(現・日本ハム)と、駒大苫小牧(北海道)の田中将大(ヤンキース)が三振を奪い合う。延長15回でも勝負が決まらず、37年ぶりの決勝再試合となった。

 

 早実3点リードで迎えた9回表、駒苫が粘りを見せ、ヒットと本塁打で2点を奪う。しかし、斎藤は最後の打者・田中を144kmの直球で空振り三振に仕留めた。

 

【神奈川】
●横浜VS.PL学園(1998年準々決勝)/9-7
 横浜のエース・松坂大輔(現・中日)打倒に執念を燃やすPL(大阪)に、横浜は2回裏、4安打を浴び3失点。が、横浜も得点を重ね、同点となり延長へ。

 

 2度勝ち越しながらも追いつかれた横浜は、17回表に2点を追加、激戦を制した。松坂が250球を投げた姿と「サイン盗み疑惑」がルール改正につながった。

 

【山梨】
●東海大甲府VS.聖光学院(2004年3回戦)/9-8
 聖光学院(福島)に、初回以外は得点を重ねられ、6回終了時点で2−8、投手は4人め。東海大甲府の完全な負け試合と思われたが、7回裏、二塁打を皮切りにヒットと盗塁などで一挙4得点。

 

 押せ押せムードの中、9回裏、無死一、二塁で清水満がサヨナラ3ランと劇的な勝利を飾った。

 

【静岡】
●常葉菊川VS.智辯和歌山(2008年準々決勝)/13-10
 5回終了時までは3-2と拮抗したが6回裏、常葉菊川の猛打が炸裂。3点本塁打などで一挙に10点を挙げ、智辯和歌山を突き放した。

 

 智辯も8回、9回に4点ずつを入れ食い下がるが、マウンドに戻った常葉のエース・戸狩聡希(元ヤマハ)が抑え、逃げきった。常葉菊川は決勝で大阪桐蔭に敗れ、準優勝。

 

【新潟】
●日本文理VS.中京大中京(2009年決勝)/9-10
 ひとりで投げ続けてきた日本文理・伊藤直輝(元ヤマハ)と中京大中京(愛知)の堂林翔太(広島)の対決。序盤は2-2の同点、6回裏に中京は一挙6得点。

 

 4-10となった9回表、二死走者なしの局面から、日本文理の猛攻が始まり、打者一巡で5点を得た。あと1点が届かなかったが、ナインは最高の笑顔で新潟県勢初の準優勝。

 

【長野】
●松商学園VS.四日市工(1991年3回戦)/4-3
 大会屈指の好投手、松商学園・上田佳範(元日本ハム)と、四日市工(三重)の井手元健一朗(元中日)の投げ合いで、均衡が破れたのは5回表。四日市工が二死三塁から3点を奪う。

 

 松商は7回裏、無死満塁から3得点。延長戦に突入後も、息詰まる投手戦が続いた。16回裏、上田が右肩に死球を受け、押し出しのサヨナラ勝ちに。

 

【富山】
●新湊VS.小松(1999年1回戦)/9-5
 8回終了時でスコアは0-5と、小松(石川)のペース。新湊打線は、わずか散発2安打だった。

 

 9回表、新湊は先頭打者が敵失で出塁すると、次打者は打ち損じて投ゴロ。ゲッツーのはずが暴投となり、無死一、三塁とチャンスを広げ、ここから長短打で一挙5点を奪い同点に。延長11回表に敵失などで4点を奪い、試合を決めた。

 

【石川】
●星稜VS.明徳義塾(1992年2回戦)/2-3
「ゴジラ」こと超高校級スラッガーの松井秀喜(元巨人)を擁し、初優勝を目指す星稜の前に立ちはだかったのは、明徳義塾(高知)による、まさかの敬遠策。

 

 松井は第4打席まですべて敬遠を食らい、2-3とリードされた9回表、二死三塁で第5打席を迎えた。一発逆転とスタンドは盛り上がったが、ここでも敬遠。罵声が飛ぶ甲子園で、松井の夏は終わった。

 

【福井】
●敦賀気比VS.大阪桐蔭(2014年準々決勝)/9-15
 県大会では打てなかった敦賀気比が、甲子園では打撃のチームに変貌。初回に5-3と、打線が自慢の両チーム打ち合いの乱打戦に。

 

 追いつ追われつの展開が続いたが、大阪桐蔭が6回に3点、8回に2点を追加し、敦賀気比は惜しくも敗れた。が、安打数では大阪桐蔭12、敦賀気比15と上回った。

 


 スター選手の活躍、手に汗握る接戦、奇跡の逆転勝ちなど、球史に残る甲子園の名勝負はあまりにも多い。

 

 1969年の決勝、三沢(青森)対松山商の延長18回の投手戦や、2016年の決勝で作新学院が北海(北海道)を降し、54年ぶりに優勝したゲームなど、候補に挙がった “歴史的一戦” は141試合にのぼった。

 

 そのなかから、「どれだけ強く人々の心に残っているか」をテーマに、厳選したのが今回の名勝負だ。異論のある方もいるとは思うが、これを機会に、球児たちの夏を思い返してほしい。

 


※カッコ内の球団名は、各選手が現在所属している、または所属していた球団。学校名は試合当時のもの

 

(週刊FLASH 2019年8月13日号)

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