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夏の甲子園、47都道府県校「伝説の名勝負」を見よ/西日本編
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.08.05 06:00 最終更新日:2019.08.05 06:00
【鳥取】
●境VS.法政一(1984年1回戦)/0-1
9回を終え0−0。境のエース・安部伸一(元三菱重工三原)は、法政一(東京)打線を9回まで、奪三振9、四球1に抑える好投。ノーヒットピッチングを続けていた。
そして迎えた、延長10回裏二死。法政一の3番・末野芳樹が振り抜いた打球は、左中間のラッキーゾーンへ飛び込んだ。安部が打たれた唯一の安打が、サヨナラ本塁打となってしまった。
【岡山】
●岡山理大付VS.智辯和歌山(1999年準決勝)/5-4
智辯和歌山の1点リードで迎えた9回裏。岡山理大付は、相手のエラーと安打などで二死満塁に。打席には、8回の守備で左足を負傷していた、5番・馬場雅央が立った。
低めの直球を叩き、打球は左中間へ。2点タイムリーで、劇的な逆転サヨナラ勝ちを収めた。左足をひきずりながら一塁を駆け抜けた馬場の姿がファンの心を掴んだ。
【島根】
●浜田VS.帝京(1998年3回戦)/3-2
9年連続で初戦敗退していた島根県の代表チームが、優勝候補の帝京(東京)を倒し、初のベスト8入りを果たした。
浜田の左腕エース・和田毅(現・ソフトバンク)が好投。帝京打線の中軸・森本稀哲(元日本ハム)に2点本塁打を打たれるも、後続を抑え大金星。浜田打線から適時打は生まれなかったが、相手のエラーや死球などで3点をもぎ取った。
【広島】
●広島商VS.静岡(1973年決勝)/3-2
2−2の同点で迎えた9回裏、広島商の攻撃は、先頭の4番・楠原基(元日本生命)がヒットで出塁し、四球、達川光男(元広島)の犠打などで一死満塁とした。
そして、試合途中から8番に入っていた大利裕二が、2ボール2ストライクからスクイズを敢行。広島商は、大会史上初となる決勝戦での「サヨナラスクイズ」を成功させ、深紅の大優勝旗を手にした。
【山口】
●宇部商VS.PL学園(1985年決勝)/3-4
宇部商は、桑田真澄&清原和博の「KKコンビ」を擁する最強チーム・PL学園(大阪)と激突。「PL圧倒的有利」の下馬評を覆し、互角の戦いを繰り広げた。
清原に2本をスタンドに叩き込まれたが、いずれもソロ。PLの強打打線を8回まで3点に抑えたが、同点で迎えた9回裏、松山秀明(元オリックス)にサヨナラ打を浴び力尽きた。
【香川】
●高松商VS.仙台育英(1978年1回戦)/0-1
高松商の河地良一(元西濃運輸)、仙台育英(宮城)の大久保美智男(元広島)の両エースによる投手戦は、延長16回まで互いに無失点を記録。
17回裏、河地は連打を浴びる。一死二、三塁のピンチに、高松商は満塁策を取った。次打者への3球め、ボールはバッターのヘルメットを直撃。まさかの押し出しサヨナラ死球で、高松商の夏は終わった。
【徳島】
●池田VS.中京(1983年準々決勝)/3-1
エースで4番の「阿波の金太郎」こと、水野雄仁(元巨人)を擁する池田と、大会屈指の好投手、中京(愛知)の野中徹博(元阪急)の投げ合い。
「事実上の決勝戦」と呼ばれたこの試合は、両投手が実力を発揮し、ヒットを打たれても要所を締めるピッチングを披露。1-1で迎えた9回表、本塁打とタイムリーで2点を奪い、水野が3人で抑えて勝利した。
【愛媛】
●松山商VS.熊本工(1996年決勝)/6-3
「奇跡のバックホーム」と語り継がれる名試合。松山商は、10回裏一死満塁という大ピンチの場面で、ライトをチームいちの強肩・矢野勝嗣に交代。
熊本工の3番・本多大介は初球を叩き、ボールはライトへ。誰もが熊工の勝利を確信したが……。矢野は本塁へノーバウンド送球し、間一髪でタッチアウト。その後、松山商は延長戦を制した。
【高知】
●明徳義塾VS.横浜(1998年準決勝)/6-7
明徳義塾は、9回表まで横浜(神奈川)相手に2点リード。最終回、横浜のマウンドに上がったのは、前日のPL学園戦で延長17回、250球を投げ完投勝利した松坂大輔。打撃好調の明徳打線を0点に抑える。
「延長戦で松坂に投げさせるわけにはいかない」と横浜打線も奮起し、9回裏に3点を奪いサヨナラ勝ち。明徳義塾は勝利目前で、松坂の前に屈した。