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谷口浩美が本気予想「代表選考マラソン」勝負の鍵は“2位狙い”
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.09.13 06:00 最終更新日:2019.09.13 06:00
9月15日に開催される「マラソングランドチャンピオンシップ(以下、MGC)。男女ともに上位2名が、マラソン東京五輪日本代表に内定する。そこで、マラソン元代表の谷口浩美氏(59)に、勝負の行方を本気で予想してもらった!
「『2位までが五輪出場内定』ということを、明確に意識しながら走れるか。みんなが優勝を考えていたら、二番手は抜け穴なんです。
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僕も1987年の福岡マラソンのとき、優勝を狙って中山竹通さんを追っかけていたのですが、ほかの選手は僕についてくればいいので楽だったんです。以前に中山さんに勝ったことがあったし、勝つことしか考えていなかった。結果は6位。僕はソウル五輪出場を逃したのです」
谷口氏が考える、MGCの本命選手は?
「これという決定打がなく、横並びの感じがするというのが、第一印象です。当日、暑くなれば、井上(大仁、26・MHPS)君が本命でしょうね。2018年8月のジャカルタでのアジア大会で勝ったことが大きい。気温28°C、湿度88%のなかでのレースを制した経験は大きいでしょう。
それから今回のレースは、塊になって進むと思いますが、唯一、先陣を切っていく可能性があるのが設楽(悠太、27・Honda)君。ある程度、後続との距離を開けて、淡々と自分のレースをすれば強い。彼はマラソンを、走力で走る30kmまでと、気持ちで走る12.195kmに分けて考えられるんです」
本命2人に対抗できる選手はだれなのか。
「うまくいけば服部(勇馬、25・トヨタ自動車)君ですかね。2018年12月の福岡国際マラソンで優勝したレースを見ると、ずいぶんとマラソンの全体像を見られるようになったと感じています。
そして、大穴は佐藤(悠基、32・日清食品)君でしょう。マラソン界で、勝ち方を知っているのが、佐藤君なんですよね。2018年の東京マラソンで日本人6位に入り、MGC出場が決まった。
『2番までに入ればいい』という思いで走れば、彼は先頭を追わないですよ。ゴール手前でピッと出れば2番ですから。設楽君は残り12kmのレースを、佐藤君は残り100mのレースをすれば勝てると思っているでしょう」
たにぐちひろみ
1960年生まれ 宮崎県出身 1991年、世界陸上東京大会マラソンで優勝。バルセロナ、アトランタ五輪に出場。現在は宮崎大学特別教授
(週刊FLASH 2019年9月24日号)